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WJ作品中心のSSブログ。 現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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調整が終わったら使えるようになるのかと思っていたブログ一時保存機能。

…正式に無くなる事が決まったそうです(T_T)

書いている途中や投稿時にエラーが発生した時に便利だったんですけどね…

これからは下書きが必須になってしまいました(-_-;)


 地下の研究所を出る時、其処に居たモノ達の答えは1つだった。
 地上へと助けを呼びに行った自分達と共に生きる。
 その答えをトリコ達は予測していたが、現実は違った。
 小松と共に育った者達の中で生きる。
 個としての意識が消えようとも。
 自分の知らない「幸せ」を実感する事が叶わなくても。
 寿命の尽きる寸前の自分達と、寿命の近付いている彼等が生き残る為のたった1つの道。
「もともと、ぼくたちはひとつだったんです。だからこれならしぬのとはちがいます」
「おれたちはここからかいほうされるなら、どんなほうほうでもいいんだ」
 この研究所が無くなり、これ以上実験が続けられるような事が無くなる。
 それが彼等の願いだった。
 研究所がなくなる条件が【小松の死】ならばそれを願うが、今は小松が死なずとも研究所は閉鎖される。
 願いが叶うならば、もう望む事はない。
 望む事は無いが…こうして話している間にも命の終わりは刻一刻と近付いている。
 彼等達を浸しているグルメ細胞を活性化させる溶液が無ければ、とうに終わっている命。
「ぼくたちがしんでしまったら、いっしょになることはできません。だから、いましかないんです」
 トリコ達は自分達と共に暮らしていた小さなココの言葉を思い出した。
〖ぼくは…ぼくたちといっしょになれたらおおきくなれた〗
 此処に来る前、自分達の状態を打ち明けた時の言葉を。
「けどよ、一緒になるってどうするんだ?」
 細胞の状態だったならば、まだ解る。
 が、個として存在してしまっている今となっては無理な話ではないかと。
「ぼくたちのなかのいきているところをあげるんです」
「生きている所を?」
「…骨髄か」
 研究者の呟きにトリコ達は振り返った。
 説明を求めるその視線に、研究者は言葉を続けた。
「これらが未だに生きている、という事は血液は生産され続けているという事だ。だが、死んでしまったら活性化した骨髄を得る事は出来なくなる。しかし…この方法ならばお前達も生きられるのでは?」
 骨髄は採取しても1ヶ月もすれば元に戻る。
 活性化している骨髄を移植するだけで寿命が伸びるならば、同じ方法が彼等にも当てはまるのではないだろうか、と研究員は考えた。
「だめなんです。じぶんでわかります。ぼくたちはもう…ここからでただけでおわりなんです」
「もっとおれたちがちいさかったら、ほんとうにいっしょになれたんだけどな」
 個となる前。
 研究者が自分達を引き離したりしなければ。
「れたちのいきてるところすくない。だから、あいつらにやる」
 自分達の中の最後の欠片を。
 僅かしかない生きている部分を。
 例え1人からは僅かしか取れずとも、此処に居るだけの者から採取すればそれなりの量にはなる筈である。
「なら、オレらから採れば良いじゃねーか」
「おれたちはおれたちといっしょになればいきられるって、ほかのことをしるまえからしってたんだ。そうしろっていわれてるかんじがしたっていうか…」
「でも、あなたたちにはそれはないでしょう?」
 無意識の内に知っていた答え。
 それを知る者と知らない者。
「だから、ぼくたちはぼくたちがいっしょにならないとだめだとおもいます」
 生きている細胞の声無き言葉は、彼等が意識を持った時から訴え続けていた。
 1つに戻りたい、と。

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神薙
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事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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