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WJ作品中心のSSブログ。 現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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サニー誕生日SSです。

直前まで悩みました…すっ飛ばしちゃおうかなぁ…と(^_^;)

何とか書きましたけど…う~む…


 明日の為のメニューも、作る為の材料も、作る為の時間も。
 全てが揃っているというのに…
「けばいやつ、いつかえってくんだ?」
 一週間前にちょっと出て来ると告げたきり、明日の主役は帰ってきていない。
 IGOからの依頼でない事は確認できている。
 会長や所長、果ては事務局長にも私用を頼んでいないか聞いてみたが、誰も頼んでいないと言う。
「ったくよ、行き先くらい教えて行けってんだよな」
 と言うトリコもちょっとした用事ならば行き先も告げずに出かけて行くのだが。
「明日、帰ってきてくれると良いんですけど…」
 帰って来なかったとしても、仕込んだ食材は明日が一番おいしく食べられる状態。
 帰ってくる事を願いつつ、床につく事にした。

 朝、何時もの如く一番早く目覚めた小松は何時もの如く朝食の支度をしにキッチンへと向かう。
 しかし、その日は何時もと違った。
 自分以外はまだ休んでいる時間。
 だと言うのに、キッチンから物音がしている。
 共同生活をするようになってから、キッチンは小松の領分だと暗黙の了承があった。
 その為トリコ達も子供達も、小松の承諾なしにキッチンで作業をする事は無い。
 ならば今キッチンからする物音は誰が何をしているのか。
 小松は外部からの侵入を考えたがそれも不可能であった。
 子供達がIGOの機密である為、普通の人間が簡単に来られる場所ではない。
 周囲の森などに獣は存在しているが、テリーとキッスが外で番をしているので彼等が倒されない限りはこの家の中に進入するのは不可能。
 美食會の者も家を襲うならばまだしも、キッチンに忍び込む意味が無い。
 IGOの関係者にしても同じである。
「…トリコさん達を呼んだ方が良いのかな…」
 呼びに行こうか迷い天井を見上げるが、何でもなかった場合を考えると態々早い時間に起すのは申し訳ない。
 取り合えず中を確認して、やばい相手が居たら即行で呼びに行く事に決め、キッチンへの扉に手を掛けた。
 カチャリ、と音を立てて扉が隙間を作った瞬間、身体が室内へと引っ張り込まれた。
 扉の傍に人が居たのかと思いきや、人の姿はシンクの前。
 それも身間違えようの無い後姿。
「さ、サニーさん!?」
「はよさん、ワリけど使わせて貰ってんぞ」
「構いませんけど…朝食の準備もしたいので離してもらえませんか」
 小松の身体はサニーの触覚によって宙に持ち上げられえたままの状態だった。
 このままでは身動き1つ取る事が出来ない。
「松はそのまま休んでろ。今日は特別な日だから俺に任せとけって」
「特別な日って、今日はサニーさんの誕生日なんですから、サニーさんこそ休んでて下さいよ。それに一週間も何処に行ってたんですか?」
「ん?俺のフルコースの材料を取りにな」
 確かに、キッチンを見渡せばサニーのフルコースの食材が揃っている。
「もしかして…これを揃える為にハントに出てたんですか!?」
「そ」
 簡単に返事をするが、これだけの食材を一週間で揃えてしまうのは流石四天王と言える。
「…あのな、松」
「何ですか?」
「前からのプレゼント、リクエストしても良いか?」
 本当は今日の晩餐自体が小松からのプレゼントのつもりだったのだが…
「今日の今日ですから用意出来るか解りませんけど」
「いや、時間はたっぷりある」
「???」
 サニーの誕生日は今日なのだから、晩餐に間に合わせるにしても半日程度しか時間は無い。
 たっぷり、と言える時間は無い筈なのだが…
「来年でも再来年でもその次の誕生日でも良。俺のフルコースの食材を使ったレシピを考えて調理して欲しい」
 その為には先ず食材の味を知ってもらわなくてはと考え、サニーはハントに出ていた。
 食材を活かすも殺すも料理人次第。
 今まで自分の食材を完全に活かせる料理人が居らず半ば諦めていたのだが、小松に出会った事で欲が出た。
 いつか自分の食材を調理して欲しい、と。
「…僕の腕で何処までサニーさんを満足させられる料理が作れるか解りませんけど、考えられる限りの最高のレシピを考えます」
「ま、俺のスルコースもまだ揃ってねーし。ゆっくりで良」
 レシピは考えて欲しいが、小松自身の時間をつぶしては欲しくは無かった。
 唯でさえ今は余計な事をIGOに押し付けられている。
「でも…僕の朝食は良いとして、皆さんの分は作らないと」
 時計を見れば、そろそろ起き始める時間になっていた。
「もったいねーけど、今日はあいつ等にも俺のフルコースを食べさせてやる」
「う~ん…出来ればトリコさん達は育ち盛りなんで、余り偏った食事は避けたいんですけどね」
 料理人としての本音がポロリと漏れてしまったが、サニーは気にする様子も無く料理を再開した。

 来年になるか、再来年になるか、数年先になるか。
 出来れば少しでも先の誕生日であって欲しいと、サニーは思っていた。
 先の事は解らないが、この約束が守られる日まで小松の傍に居られる。
 小松の性格からレシピが出来て終わりと言うわけではないと解っていても。
 一緒に居られるという確かな約束こそが、サニーが一番望んでいたプレゼントだったのだと、小松が気付くのはまだまだ先の話。

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HN:
神薙
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職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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