WJ作品中心のSSブログ。
現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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バーダックFANな神薙がバーダックの為だけに作った作品。
原作は大きく無視。
バーダックに幸せになって欲しいだけです!
Past:過去
Present:現在
Future:未来
の3部構成+外伝となります。
さてさて…過去は何回の掲載で終わる事か…
Pastはオール純血サイヤ人しか登場しませんのであしからず。
※当時(2006年5月発行)の作品を一部改定しております※
原作は大きく無視。
バーダックに幸せになって欲しいだけです!
Past:過去
Present:現在
Future:未来
の3部構成+外伝となります。
さてさて…過去は何回の掲載で終わる事か…
Pastはオール純血サイヤ人しか登場しませんのであしからず。
※当時(2006年5月発行)の作品を一部改定しております※
惑星べジータ。
戦いに明け暮れる戦闘民族サイヤ人の住むこの星で、2つの新たな命が誕生した。
「戦闘力10,000か。末恐ろしいガキだな」
数人のサイヤ人がスカウターを弄りながら、興味深げに新生児室を覗いている。
「と、思えば…こっちのガキは2だとよ。逆の意味で珍しいが使いものになるのかね」
真逆の力を持って産まれた赤ん坊。
戦闘力はサイヤ人にとって最も重要な数値だった。
生まれた時の戦闘力でランク分けされ、また高ければ高いほど上昇限界数値も高くなる。逆に低ければそこそこの上昇しか期待できない。
「使いもんになるよう育てんのが、親の務めってもんだよなぁ?」
背後から発せられた予期せぬ声に、笑ってた顔が一瞬にして引き攣る。
「バババババババババーダック!いいいいいいい何時の間に!」
下級戦士でありながら、惑星べジータで最強の戦闘力を持つ者に与えられる称号【狂戦士】を名乗る事を許された唯一人サイヤ人・バーダック。
下級戦士がエリート戦士を凌駕するほどの戦闘力を身に付けるにはそれ相応の危険を伴っている為、狂戦士にはエリート戦士以上の特権が与えられている。
チームメンバーの選択権は勿論のこと、居住区や戦果給金も下級戦士とは比べ物にならない。
そんな特権を欲して危険な戦場へと赴く者も多いが、大抵は戦闘力の差を測りきれずに命を落としてしまう。
バーダックも常に自分の戦闘力より上の戦場を選んでいたが、見事に帰還を果たしてきた。無傷とはいかず、度々重傷を負っていたが致命傷を受ける事はなく、またサイヤ人の特性が幸いし戦闘力の大幅な増幅を手伝っていた。
またその戦果も大きく、一部のエリート戦士以外はその戦い方に文句を言う事が出来ず、逆にバーダックの部隊にはいりそのお零れに預かろうという卑屈な者もいる程である。
「お前の口から親の務めって言われてもなぁ…」
「そうそう、絶対に『こんなガキ、俺のじゃねぇ!』って言うのに賭けてたのに」
バーダックの背後から更に2人のサイヤ人が姿を現す。
「トーマにセリパまで!お前ら…確か5日前に出撃したばかりじゃ…」
一度遠征に向かえば最低7日は帰って来れない。
まして、バーダック達が先日派遣された惑星は往復だけで3日はかかる距離にあった。
「あぁ…今回は大変だったんだぜ?追加人員は断るわ、バーダックが」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
突然響いた泣き声に、その場にいた者どころか、離れた場所にいた者達まで新生児室の前に何事かと集まってきた。
「随分と威勢のいい泣き声だな」
「バーダック!お前のトコのガキじゃねぇか!さっさと静かにさせろ!」
「なんだ、バーダックの子供かよ。どれどれ…おっ、良かったじゃねぇか!戦闘力が1,000もありゃ一安心だろ?」
その言葉に戦闘力を測っていたサイヤ人達とバーダックがスカウターのスイッチを入れた。
「う…嘘だろ…さっきは確かに2だったじゃねぇかよ…」
何度もスカウターを操作するが、表示される数値は1,000を示していた。
サイヤ人の戦闘力はそう簡単に上がるものではない。
先に述べた様に傷を負った状態から回復するか、日々のトレーニングで肉体を酷使する事により、それに耐えられるだけの戦闘力を得る事が出来るのである。
ただ泣いただけで戦闘力が上がるなど前例のない、有り得ない現象だった。
「ん?バーダックどうした?」
無言で新生児室へ入っていき、己の子の傍へと近づく。
子あやすバーダックの姿など想像もつかないが親としては当たり前か、と外野が関心しているのも知らずにその手が子供の方へと伸びていった。
ゴンッ、といい音が響く。
面白がっていた者も、文句を言っていた者も皆、顔を青ざめ言葉を失った。
加減はしているのだろうが【狂戦士】の称号を持つ物が産まれて間もない赤ん坊に拳骨をくらわせたのだ。
赤ん坊も一瞬何が起こったのか解らずに呆然としていたが、痛みが伝わると先程よりも更に大きな声で泣き始める。
「バーダック!あんた何やってんのよ!」
「セリパ、トーマ。スカウター覗いてみろよ」
セリパの講義を軽く受け流し、自らも面白そうにスカウターを弄っていた。
「お前なぁ…って、何…だってんだ…冗談だろ…」
他の面々もスカウターを覗き始める。
1,500…2,000…2,500…
戦闘力3,000を少し超えたところで、数値の上昇は止まった。
「オ…オレのスカウター故障してんのかな?」
「ぐ、偶然だな!俺のも故障したみたいだ」
果たしてこれ程の数のスカウターが一斉に故障する事などありえるのだろうか。
答えは否。
そう頭で解っていても、現実として受け入れる事がどうしても出来ない。
「やっぱりな。このガキは強くなるぜ」
そんな混乱した頭を現実へと引き戻したのはバーダックの満足げな言葉だった。
自らの子を殴り、その反応に満足した顔を向けるバーダックに対して周囲の視線は冷たい。
戦闘民族サイヤ人。
他の種族に比べて争いを好む性質ではあるが、親子の情を持っていない訳ではない。
元から出生率の低いサイヤ人は人口の少なさから、どうしても個々の血が近くなってしまった。その為、母となる者は子を宿す事で更に濃い血を内包する事になり、血の力に負けて出産時に死んでしまう率が高かった。
無事第一子を出産したとしても、第二子を産んで無事でいたものは居ない。
それでも子がいなければ種は滅んでしまう。
ツフル人の頭脳をかり人工子宮での出産も進められているが、何故か使うものは少なかった。
命と引き換えに産まれて来る子供達は、命を奪う事を常としているサイヤ人にとってとても大切な宝なのだ。
それを殴ったのである。
いくら珍しい現象が起こったにせよ、許せる行為ではなかった。
「騒がしいぞ!何をしている!あの声は何だ!」
二度目の泣き声は医療棟の外にまで響き渡っていた。
もう1人の赤ん坊の父親・パラガスが新生児室へと駆けつけ、その後ろの人ごみを掻き分けながら2人の
子供が飛び出してくる。
「よぉ、ラディッツ、ターレス」
「よぉ、じゃねぇよ!馬鹿親父!」
長い髪の少年・ラディッツがバーダックの傍らにいる赤ん坊を抱き上げる。
頭部を触るとベタッと赤い液体が手についた。
「カカロット!」
「骨は…大丈夫みてぇだな。全く…親父さんも無茶しやがる」
バーダックと同じ顔をした少年・ターレスが赤ん坊の傷を確認する。
「親父のポッドが戻ったって聞いて嫌な予感がしたんだ…赤ん坊相手に何してんだよ!」
「!ラディッツ!急いで治療室に行くぞ!」
赤ん坊の傷自体はそれほどでもない様に見えたが、寝かされていた保育器の布団は真っ赤に染まっていた。
それを確認したターレスに促され、2人は急いで治療室へと向かう。
集まっていた大人達も事の重大さに素早く通路を開け、赤ん坊を抱く子供の後姿を見送った。
「んだよ、あの程度で大騒ぎしやがって」
「あの程度ではないだろう!この大馬鹿者が!」
パラガスの言葉に誰もが同意した。
「お前は自分の戦闘力がどれ程のものが解っていないのか!戦闘力100,000のお前が2しかない子供に手を上げればどうなるか…下手をすれば殺してしまうのだぞ!」
「だから手加減してんじゃねぇかよ。そんなに大騒ぎする事じゃねぇだろ?それにパラガス、あのガキの戦闘力は今は3,000だぜ?」
周囲の視線がますます怜悧なものへと変わる。
「手加減しきれておらんからあのような事態になったのが解らんのか!」
確かにバーダックにしてみれば手加減をしたのだろう。
だが、2だろうが3,000だろうが、バーダックの戦闘力からしたら塵にも等しい存在でしかない。
その気はなくとも、簡単に命を奪う事が出来るのである。
「……いいか、バーダック。暫くの間、カカロットは私が預かる。ブロリーと同じ日に産まれたのも縁と言うものだろう。お前には任せておけん!」
「なっ、ちょっと待て!そういやカカロットって名前はテメェが付けやがったのか!」
先程、ラディッツもそう呼んでいた。
母親は出産時に命を落としている。
遠征に出発する前、名前を決めている事など聞いてはいない。
「母さんが決めてたんだよ!親父が遠征に出てる間にカカロットが産まれそうになっちまって、親父が間に合いそうにもないからって!あんたはあれ位の血の量見慣れてっからどうってことないなんて思ってんだろうけど、赤ん坊にとっちゃ大量出血なんだぞ!何でそんな事も解んねぇんだよ!」
目に涙を溜めたラディッツが治療室から戻ってきていた。
治療室のドクターはカカロットの状態をみるなり、重傷者用のメディカルマシンの使用を決定した。
赤ん坊に使用した前例はないが、泣き声も上げなくなってしまった状態から判断し使用に踏み切ったのである。前例がないだけにどのような副作用が起こるか解らない、とも言っていた。
「あんたじゃカカロットを殺しちまう…パラガスさんはおばさんが死んだばっかだったのに、母さんに付き添ってくれたんだ!あんたと付き合いが長いからって、その後の手続きなんかも本当はあんたがやる筈の事も全部やってくれたんだよ!」
「へぇ…そりゃ手間かけたな。だがなパラガス。あのガキの面倒は俺が見る。こんな先の面白ぇガギを他人に預けられっか」
バーダックの考えが解らなかった。実の子であるラディッツにも。
集まっていたサイヤ人達は新生児室から出てきたバーダックを取り囲み、怒りをあらわにしている。
「あのなぁ、バーダック。悪かったと思ってんならさっさとガキのトコに行ってやれや。お前の口の悪さは昔っからだけどよ、行動にださねぇと勘違いされるばかりだぞ?」
そんな状況で暢気な口調のトーマが言葉を挟んできた。
「えっと、さっきの言葉を訳すと『手間をかけてしまないな、パラガス。好意はありがたいが自分の子供は自分で面倒をみる。他人であるお前にこれ以上迷惑はかけられない』ってとこかしらね」
拳骨には流石に驚いたものの、トーマとセリパそして当のパラガスは長年の付き合いからバーダックの感情表現が極端にひねくれている事を知っていた。
バーダックは好奇心が先行してしまうタイプだ。
後先考えず、その行いの結果は試して自分の目で見れば十分だと思っている為、体が先に動いてしまう。
今回の件に関しても、戦闘力の変動が本当に起こったのかを確認したかっただけの事で、あの程度のことでそこまでの怪我を負うとは考えてもいなかったのだ。
更に捻くれている性格のために、責められれば責められる程に悪態をつき、相手の感情を逆撫でしてしまう。
現に今も、医療棟の入り口とは逆方向
「あんた本当は名前も自分が付けたかったのよねぇ」
「でも良かったじゃねぇか。お前が考えてた名前の中にもカカロットってあったんだからよ」
「えっ!あたし聞いてないわよ!いつそんな話したの!」
「前回の遠征の時だな。ほら、お前は連続で出撃するのはイヤだっつって出撃しなかっただろ?あん時だよ」
「嘘!あぁ~あ、あたしも出撃すればよかったなぁ…まぁ今回のバーダックも見ものだけどね」
話題の当人が怒りに身を震わせているのを知ってか知らずか、2人の会話は終わりそうにない。
なにより周囲の者たちの視線が、怒りから同情を含んだ哀れみの眼差しに変わっている事も、バーダックの怒りの増幅に拍車をかけていた。
「それになラディッツ。今回、出撃から5日で帰ってきたのだってバーダックが『満月なんか待ってられっか!』って無茶しやがったからなんだよ。お産に付き添いてぇなら」
「それ以上余計なこと喋んじゃねぇ!」
バーダックから放たれたエネルギー弾が廊下の突き当たりの壁を見事に吹き飛ばした。
「お前…直撃くらったらいくら俺でも死ぬぞ!」
「一度死んできやがれ!」
「あら、バーダック。出口はあっちよ?」
「う、うるせぇ!」
耳まで真っ赤にしながらバーダックはずかずかと治療室へと向かう。
余りの展開に涙ながらに文句を垂れていたラディッツも、引き取る発言をしたパラガスもその後姿を見送ってしまった。
角を曲がりバーダックの姿が視界から消えると、珍しいものを見たなと笑いの種を他の者にも伝えるべく集まっていたサイヤ人達もバラバラと解散していった。
「パラガス」
「…………」
「パラガス!」
「お、王!」
散っていった者達と入れ替わる様に、パラガスの後ろにはサイヤ人の王・べジータとその息子べジータ王子が立っていた。
「何をボーっとしている。お前とバーダック、双方の子が産まれたと聞いて、城を抜け出してきたと言うのに。バーダックの子もいないようだが何かあったのか?」
「いえ、実は…」
事の顛末を話そうとパラガスが口を開くのとほぼ同時に新生児室から先程とは別の泣き声が聞こえ、その声の主によりその場は騒乱と化した。
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プロフィール
HN:
神薙
性別:
女性
職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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