WJ作品中心のSSブログ。
現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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DBには何度ハマりなおした事か。
実は昨年、十数枚組みのCD-BOXを購入してしまいました(笑)
殆どのCD持ってるのに…持ってるのに買ってしまった…
今までの人生で一番お金をつぎ込んでいるのはDBだと思います。
第2話ですが、まだまだ原作主人公は赤ん坊です。
それにしてもトリコSSと比べると1話が長い長い…
※当時(2006年5月発行)の作品を一部改定しております※
実は昨年、十数枚組みのCD-BOXを購入してしまいました(笑)
殆どのCD持ってるのに…持ってるのに買ってしまった…
今までの人生で一番お金をつぎ込んでいるのはDBだと思います。
第2話ですが、まだまだ原作主人公は赤ん坊です。
それにしてもトリコSSと比べると1話が長い長い…
※当時(2006年5月発行)の作品を一部改定しております※
「なぁ、ドクター。こんなチビでも治るんだよな?」
メディカルマシンの中に横たえられているカカロットの姿に不安を覚える。
「多分、としか言えんな。ターレス、張り付いておっても状態は変わらんぞ?」
機械で治療している以上、誰にも手を出す事は出来ない。万が一、容態が変わったとしてもメディカルマシン以上の治療方法は無いのだ。
「……オレもラディッツも楽しみにしてたんだ。ほら、オレ等の下ってベジータだけだろ。あいつは王子でエリートだから一緒に居られねぇじゃん。けどバーダックの子供ならオレでも一緒に居られる。パラガスのおっさんの子はなぁ…やっぱエリートになっちまうだろうし。それにお袋さんと約束したんだ。こいつが一人前になるまで守ってやるって」
「そうか。じゃが守るも何も、今のベジータ王ならば何も問題はなかろう」
カカロットの治療を行っているメディカルマシンの戦闘力測定器は数値が上下している。普通のサイヤ人には見られない反応だった。
「先王の頃ならば…強制的に研究所へ連れて行かれていただろうがな」
僅か5年前。
今の王は先代の非常な行いに終止符を打つべくクーデターを起こし、父である先代を葬って王座についた。
先代は同族に対する情も、血族に対する情も一切持ち合わせない冷酷な男であった。惑星中を巻き込んで行った非情の極みとも言える実験を行う施設を作り、そこに強制的にある種のサイヤ人を収容していたのである。
《ルートタイプ》
バーダックやターレスの様な外見的特長を持つこのタイプは遺伝性が低い代わりに、何かしらの突出した能力を持つ者の出現率が他のタイプに比べて圧倒的に高かった。
その上、千年以上前に現れた伝説のサイヤ人もまたルートタイプであったとの記録が残っているのである。
先王は最強の戦士を作り上げるべく、非情な実験と過酷な戦闘訓練をルートタイプのサイヤ人達に行っていた。
もし、未だに先王が生きていたとしたら。
ルートタイプであり、前例のない【変動する戦闘力】を持つ赤子など、確実に実験施設に送られモルモットにされていた事だろう。
「オレもそこに居たらしいけど、研究所の事はあんま覚えてねぇんだよな。戦闘訓練も出来ねぇようなガキだったからかも知れねぇけどさ」
現王は戦闘訓練を受ける年齢を定めていないが、先王は満5歳になった子供をタイプに関係なく戦闘訓練に強制参加させていた。体の出来ていない子供達はそこでも多くが命を落としたのである。これもまた、サイヤ人の人口減少に拍車をかけていた。
大人達にとっては忘れたくとも忘れてはならない記憶だが、当時2歳だったターレスとラディッツにはそんな過酷な記憶は無い。
「でもバーダックの家に引き取られてからの記憶は全部残ってんだよ…同じ頃の筈なのによ。ま、いらねぇ記憶が消えてんだから別にどうでも良いんだけどな」
先王の死後、研究所にいた子供達は親元へと帰された。しかし、中にはターレスの様に先王に親を殺され孤児となった子供も多くいた。
帰る家の無い子供達は現王の計らいにより、秘密裏に里親の元へと預けられ国の補助の元、育てられる事になったのである。
ターレスを引き取ったのは同じ年の子供のいるバーダック夫妻だった。
里子達の事情を知らない一部の者たちはバーダックの隠し子だの、ラディッツが実は二卵性双生児だっただのと様々な噂を流していたが、ターレスの事情を知っているバーダック夫妻はその噂を肯定も否定もしなかった。
「変な噂とか、ラディッツのバカな行動とかお袋さんのカミナリとかは全部覚えてんだよな…なぁ、カカロットに今回の…親父さんに殴られた記憶なんて残ったりしねぇよな?」
「お前さんの場合は赤子の時に打たれとった薬剤の影響もあるやも知れんが、幼い頃の記憶をはっきり覚えている方が稀なんじゃ。もし覚えとったとしてもお前さん達が大事にしてやればそっちの記憶の方が大きくなるじゃろうて」
その時、治療室の扉が開き(正確には抉じ開けられ)メディカルマシンを一目見るなり、物凄い勢いでバーダックがドクターへと詰め寄った。
「どういう事だ!この程度の怪我なんてものの数分で治んだろうが!」
「バカモン!お前さん達に行う治療では赤ん坊の体が持たん!時間がかかるのは当然じゃ!…まったく。お前さんのお陰で大事な生誕祭が延びてしまったらどうするつもりじゃ。惑星中の皆が楽しみにしていると言うのに」
「そうそう、なんつっても狂戦士バーダックと超エリート戦士で王補佐のパラガスの子が同じ日に生まれたって、もうあちこちでお祭り騒ぎなんだぜ?親父さんの無茶で先送りになっちまったら暴動でも起こったりしてな」
カラカラとターレスは笑いながら言うが、あながち的外れな事ではない。
生誕祭はサイヤ人にとって大事な催しだった。
先王が一度廃止したものを現王が復活させたのだが、宝である赤ん坊の未来を祝し、交流のある星々からも祝賀の使者が訪れる。
まして今回は平和な時代になってはじめての赤ん坊。
準備は赤ん坊が母親の胎内にいるうちから始まっており、開催時期も誕生から1週間後と決まっている為、誰もがその日を心待ちにしていた。
「……あれって本気だったのか?パラガスのとこのガキだけじゃねぇのか??」
「当たり前だ!お前は先の戦いの功労者だぞ!」
バーダックに壊され半分開いたままになっていた扉からベジータ王が怒鳴り込んできた。
「王!そのお姿は一体…」
「ベジータ…お前、王様になってまで何やってんだ?久々に誰かさんと喧嘩でもしたのかよ」
入ったきたベジータ王だけでなく、その後に続いているパラガスとラディッツまでもが何故かボロボロになっていた。
困り果てた顔をしたパラガスの腕の中には、パラガスの子であるブロリーが抱かれておりキョロキョロと何かを探す様に室内を見回している。
「赤ん坊に手を上げる訳にはいかんだろう」
「カカロットがいなくなった事に気付いたブロリーが暴れてしまってな…」
赤ん坊とはいえ戦闘力は10,000。並みの戦士ならば、相手をする事すら出来ないだろう。
「カカロットが泣いてた時にゃなんともなかっただろうが」
「保育器は遮音設計されているからのぉ…カバーさえ閉まっておれば声は一切漏れん」
「ん?じゃあカカロットの保育器は壊れてたってのか?」
確かに、あの大声は遮音されていなければ公害にしかならないが。
「あ!オレ、見に行った後完全に閉めなかったかも…」
騒音公害の原因はラディッツであった。
「にしても、赤ん坊の癖にもう人の見分けがつくのかよ。パラガスの子らしいっちゃらしいけどな」
室内を見回していた視線が、メディカルマシンの中のカカロットを見つけると、手足をばたつかせてそちらへ行こうとする。
「カ…カ……」
「おじさん!」
ラディッツに促されパラガスがブロリーをメディカルマシンの前へと連れて行くと、ブロリーは懸命に手を伸ばしていた。
「ほらな、カカロットちゃんと居ただろ?」
メディカルマシンの覗き窓からカカロットの姿を確認させるとブロリーが大人しくなった為、ラディッツも先程の惨劇を経験した大人達も胸を撫で下ろした。
「しかし流石は狂戦士の子だな。たった一度の回復で戦闘力が1000倍に上がるとは」
「そうですな。もとが低かったとはいえ、2から2,000への増加は驚異的としかいえませぬ。最も…それだけ重傷じゃったとも言えますが」
瀕死の状態から回復する度に普段とは比べ物にならない位、戦闘力が大きく上がるのがサイヤ人の特性である。しかし。
「馬鹿な!一度の回復でそこまで上がるわけが無い!」
通常のサイヤ人ならば100から300程度。産まれながらに戦闘力の低い者が高い数値まで上げるのが困難な理由はこの上昇率の限界にあった。
「王子…カカロットにはバーダック以上にルートタイプの特性が出ているようでしてな。バーダック、お前さんなら2,000や3,000の上昇は珍しくなかろうて」
「最大で5,000上がった事もあったな。オレの場合は元から2,000はあったけどよ」
戦闘力の上昇値はサイヤ人のタイプにより多少の特性がある。
中でも希少種であるルートタイプは他のタイプとは一線を画していた。その次に王族の特性であるグリーズタイプ、ブロリーのカルゼタイプ、パラガスのリーリタイプと続く。ただし、ルートタイプ以外は産まれながらの戦闘力も高くエリートタイプに分類されるが、平均して1,000以下の子供しか産まれないルートタイプは下級戦士として扱われていた。
「ちっ、3,000から下がりやがった………もう2・3度やりゃ10,000越すか…?」
この男ならばやりかねない。
実際にラディッツとターレスも幾度と無く治療室送りになっており、そのお陰とは言いたくないが2人とも7歳にして戦闘力が10,000を超えていた。
「…………ダッ!」
と不振な視線を向けられていたバーダックの足が小さな掛け声と共に思い切り薙ぎ払われた。
身構えてなかったバーダックは受身を取れずに勢いよく背後へと倒れこむ。
「っっっっってぇ!このガキ!何しやが」
「ダッ!」
顔を起こそうとした所へ小さな手の2撃目が繰り出された。
カカロットの前に張り付いていたブロリーがバータックから不穏な空気を感じ取り、先手を打ったのである。
「さっきからブロリー怒ってたから、親父気をつけた方がいいぞ。そいつ結構強いし」
「離れろ!このクソガキ!」
「人の子に向かってクソガキとは何だ!」
「クソガキはクソガキだろうが!」
バーダック対ブロリーの戦いが始まるのかと思いきや、バーダック対パラガスの戦いが勃発してしまった。
双方が本気を出していない事は治療室が中々破壊されない現状を見れば明らかだったが、それでも戦闘力の高いもの同士の争いに身の危険を感じてしまう。次第にエスカレートすれば周囲に被害が出るのは目に見えていた為、王が間に入り双方を宥め始めた。
そんな騒ぎを尻目に、メディカルマシンへと近づく者がいた。
「王子、どうかされましたかな?」
ベジータ王子の目に映る存在は、何時死んでもおかしくないような弱々しい存在に見えた。
「…こんなヤツがいつかオレの戦闘力を上回るのか?」
カカロットの父であるバーダックはベジータ王子の父であるベジータ王以上の戦闘力を持っている。
驚異的な上昇率を受け継いでいるカカロットが自分を追い抜く様は想像するまでもなかった。
「それはこの子次第でしょうな。バーダックの様に好んで戦いに出る性格でしたら、戦闘力も大きく伸びましょう。ですが、母親に似たなら進んで遠征に出る事もありますまい。彼女は戦場よりも家族と穏やかに暮らす時間を大切にしておりました」
戦士としての強さは一流であったが、現王に代わってからは一度も遠征に出ず、ラディッツとターレスを育て上げ、命を失う事を解っていながら子を産んだ。そんな母親にラディッツの性格は強く影響されているが、共に育ったターレスはバーダックの影響が大きい。実際には育ってみなければ、どうなるかは解る筈もないのだ。
「オレより…オレより強くなる下級戦士など必要ない!」
ベジータ王子の手のひらにエネルギーが集約し始める。
「何をしている!」
王が気付いた時には、エネルギー弾はベジータ王子の手から打ち出されていた。
ベジータ王とパラガスの手によりその身を押さえつけられるまで放たれ続けたエネルギー弾によりメディカルマシンは大破していた。
「いっってぇ…ベジータ!ガキにどういう躾してやがんだ!」
一撃目のエネルギー弾が着弾した直後、ベジータ王子を取り押さえるのではなく我が子を庇う為にバーダックがその身を滑り込ませた為、カカロット自身への直撃だけは避けることが出来た。バーダックの傷も、傷と言えるような一つも無い。
「う………うわぁぁぁぁぁぁん!」
「ッバカ!コノ程度で泣くんじゃ…ってベジータ!パラガス!避けろ!」
バーダックの言葉が2人の耳に届くのとほぼ同時に、強力なエネルギー弾がベジータ王子を掠めた。
それは医療棟の壁をぶち破り、空へと吸い込まれていく。
「ブ…ブロリー…?」
パラガスは目の前の赤ん坊が本当に自分の子供なのか困惑していた。
サイヤ人特有の黒い髪は青へ、漆黒の瞳も翡翠を思わせる色へと変色している。
「パラガス様!ブロリーもターレスと同じく既に自我が覚醒されております!このままでは王子の御身が!」
ブロリーの小さな手のひらには、手のひらの何倍もの大きさでエネルギーが形成されている。
「ブロリー!止めんか!」
父であるパラガスの声も、ブロリーには届いていなかった。
その瞳が捉えているのはベジータ王子唯一人。産まれたばかりの赤ん坊とは思えない殺気の前に、ベジータ王子は身動きすらとれずにいた。
「おい、クソガキ。これでもそいつをぶっ放すか?」
後は、ベジータ王子に向かってエネルギー弾を投げつけるだけ。そんな状態のブロリーとベジータ王子の間に割って入ったバーダックの腕には今尚、しゃくり上げているカカロットの姿があった。
「カカ…」
生きているカカロットの姿をその瞳に映すと、手のひらのエネルギーの塊は段々と小さくなり消滅した。
「ベジータ!今のうちのお前ンとこのガキどかせ」
ブロリーの意識がカカロットに移っている今しか、ベジータ王子を安全圏へ動かす事が出来ない。
「何故だ…王子のオレではなく何故あんな…」
ブロリーの攻撃は王子の目には入っていなかった。
自分を追い抜く可能性を持つ赤ん坊。彼の目にはそれしか入っていなかったのである。
ベジータ王にも覚えのある感情だった。
自分より高い戦闘力を持って生まれた者は対して気にならないが、自分より下の戦闘力の者が自分を抜かす可能性がある。ベジータ王は同年代に産まれたバーダックが最強の称号を手にした時の悔しさを今でも忘れられずにいる。忘れる事は出来ないが…バーダックがどのようにしてその力を手にしたかも知っていた。
他者よりも辛い訓練を受け、激戦区へと送られるのは当たり前。
バーダックの送られた先を聞いた時、自分がどれだけ楽な戦地を振り分けられているのかを知り、楽な事しかしていない自分が彼の強さを妬む資格が無い事を知った。
最も…バーダックは現王に代替わりをした今でも、自分から激戦区となるであろうと予想されている遠征先を選んでいるのだが、これはまた別の話である。
「悔しければ抜かれぬ様に努める事だ。抵抗出来ん赤ん坊を攻撃するなど王子という立場にいる者が行う行為ではない。殺意を持っての同族殺しは大罪になると、忘れたとは言わさんぞ。未遂に終わったとはいえ、王族が罪を犯したならば、それ相応の処罰をせねばならん」
あの時、バーダックが「子を守る」方に反応していなければ、確実にカカロットは命を落としていた事だろう。
王族だからとて、法を犯して処罰を真逃れるすべは無い。
「カカロットは無事だったんだ。態々事を大きくする必要はねぇよ。そんな事言ったらブロリーも処罰の対象になっちまうじゃねぇか」
当のブロリーは必死にカカロットを宥めようと既にベジータ王子の事は頭に無いようだが、先程の攻撃には明らかに殺意が篭っていた。
「いや、赤ん坊とはいえ自我を持って王子を攻撃したからには処罰を受けねば…」
「相変わらず頭がかてぇんだよ。2人とも。んな深刻な顔してっと眉間のシワが深くなるぜ?カカロットも無事、王子も無傷、けが人なし。ついでに言や、此処にいるのは身内同然のヤツばかり。無理に処罰する必要はねぇって言ってんだよ」
ベジータ王子の【攻撃性の強さ】がその出生にある事をバーダックは知っていた。
ツフル人の頭脳により完成した人工子宮。それを用いて実の子である現王の遺伝子を操作し、サイヤ人としての特性を強く持たせた、先王が作り上げた赤ん坊。
後の災いになると反対した周囲を押し切り、王子として育てる決心をしたのは現王その人である。
「大体、テメェらは物事を難しく考えすぎなんだよ。やられた側が良いって言ってんだ。何の問題がある」
「…親父さんの考え方が単純すぎんだよ…」
ボソッと呟いたターレスにすかさずエネルギー弾が打ち込まれる。
「今!手加減しなかっただろ!直撃食らったら死んじまうじゃねぇか!」
「うるせぇ!この程度の攻撃が避けれねぇような鍛え方してねぇだろ!」
殺意が篭って無くても、十分相手の命を奪える攻撃なのだが…
「…ベジータ。無期限の謹慎処分とする」
後ろで始まった親子喧嘩を心の中で羨ましく思いつつも、処分を伝える。
「悔しければ強くなれ。お前は誰よりも強くなれる可能性を秘めている」
先王の残したデータを見る限りでは、ベジータには様々な遺伝子操作を行った痕跡が残っており、まさに純粋な「原初の」サイヤ人に最も近いサイヤ人と言える存在だった。
ベジータ王子が道を見誤らなければ、歴代最強の王になれるだろう。
無線でナッパを呼び出すと、王子を連れて退出する様に命を下す。
ナッパに促されたベジータ王子は一瞬、視線をカカロットへと向けたが直ぐに忌々しげな表情へかわりその場を後にした。
「…お…親父…?」
静まり返ってしまった部屋の中でラディッツの遠慮がちな声が響いた。
「あぁ?何だ」
「シ…シッポ…」
ぐずっているカカロットをあやそうと抱き上げた時、ある筈の感触が無い事に気付いた。
「…エネルギー弾の余波でやられた様ですな。こうも根元までやられておっては…」
治療途中だったカカロットを別のメディカルマシンへと移す。
カカロットの傷はまだ完全に言えてはおらず、僅かながら出血も続いていた。
「メディカルマシンでもシッポの再生だけは出来ねぇんだよな…確か」
以前、自分で抜いて試した事があったが、何故かシッポが再生する事はなかった。
その時のドクターの説明ではサイヤ人が自主的に抜いた場合はメディカルマシンが傷として判断しない為、何の反応もおこさないのだという。
「う~む…少々問題があるかも知れんのぉ…」
だが今は、シッポの付け根に傷があった。
この傷を機械がどのように判断するのかが、誰にも判らないのである。
サイヤ人にとってシッポは真の力を解放する為に必要不可欠なものなのだが…
「まぁ…起きちまった事は仕方ねぇな」
シッポがあろうがなかろうが、普段の生活に支障は無い。
「申し訳ない」
ベジータ王が深々と頭を下げる。
「バーカ。王が簡単に頭下げんなって何度いや解んだよ」
「王に向かってバカとは何だ!お前こそ何度その言葉遣いを直せと言えば解る!」
「うるせぇ!べっつにベジータが良いって言ってんだから、テメェにとやかく言われる筋合いはねぇだろ」
「うるさいとは何だ!大体貴様は昔から目上の者に対する態度と言うものだな」
出会った当初からバーダックの態度は変わらない。
相手が下級戦士だろうがエリート戦士だろうが王族だろうが。普通ならば不敬だと思われる態度も、その強さが免罪符となっていた。
強さが全て、という時代であったならばバーダックは間違いなく王になれただろう。
「なぁ…親父…生誕祭どうすんだよ?」
言い合いを続けていたバーダックとパラガスの声がピタと止まる。
カカロットの怪我だけならば生誕祭には十分間に合うが、もしメディカルマシンでシッポが再生されなかった場合、再生には個人差もあるが3~6ヶ月はかかってしまう。
数日後に控えている生誕祭に間に合うわけがなかった。
「シッポ…か…」
誰とは言わずに呟かれた言葉を最後に、思い沈黙がその場を支配した。
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プロフィール
HN:
神薙
性別:
女性
職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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