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WJ作品中心のSSブログ。 現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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SSって…何処で話を終らせれば良いのか解らない時があったりします。

短編書いても続きが書きたくなったり。
基本的に1話完結が出来ないんですよねぇ…外伝でなら1話完も出来るんですが…
それが出来なくてダラダラ書いちゃったりするんですよねぇ…途中で煮詰まったり、展開が急になったりしながら…
今回がその典型的な例です…すんません…


「ココ、サニー」
 小さなトリコが呼びかけると、3人は小松の消えた玄関へと向かった。
「…まいち納得できねぇ…」
「小松君の気遣いは嬉しいんだけどね」
「結局、迷惑かけてんのはオレ達って事だからな」
 小松にとって自分達と出逢った事は不運だったとしか言えないのではないだろうか、と思わずにはいられない。
 自分達と出会ってしまったばかりにIGOから面倒を押し付けられ、彼が何よりも誇りに思っている仕事にまで支障が出てしまっている。
「で、これからどうする?」
 小松の疲労は目に見えていた。
 小さな自分達は「どうすれば小松と一緒にいられるか」ばかりを気にする余り、その事には気付いていない。
 ならばその負担を少しでも軽くしてやりたかった。
「りあえず今日は泊まる」
「所長に連絡してあいつ等の事もはっきりさせねぇとな」
「そうだね…ボク達に黙ってこんな事をした上、小松君に迷惑をかけるなんて…」
 小さな存在はハッキリ言えば邪魔だ。
 小松と自分達の時間がなくなるし、何より小松にハント抜きで仕事を休ませるくらい大切にされているのが気に食わない。
 とは言え、あの小さな自分達もまた自分の意思で小松の元へやって来た訳ではなく、研究所に戻りたくないと言う気持ちも痛いほど解ってしまう。あのような   人として扱われないような場所へ好んで帰りたいと思うものなどこの世にはいないだろう。
「面倒くせぇけど、暫くあのガキ共の面倒みるか」
「あなたたちにめんどうをかけるつもりはありません」
 ドン、とテーブルの上に料理がおかれる。
 その表情は笑顔だが目が笑っていない。
「おっさんたちじゃま!」
「お、おっさ…このガキ!誰がおっさんだ!」
「まえらにきまってんじゃん」
「ちょっと待て。オレは小松と同じ年だぞ?そうなるとお前らは小松もおっさんだと思ってんのか?」
 おじさん扱いされる小松…その外見からでは想像するのも難しい。
「こまつさんはちがいますよ」
「おっさんっつったら、でかくてむっさいやつってきまってんじゃんか」
 なぁ、と3人は頷きあう。
 3人は話しながらもテーブルと玄関を往復し、子供が運ぶには多い量の料理を軽々と運んでいた。
「あとはとつぜんおしかけてきて、てつだいのひとつもしないずうずうしいひとですね」
「けばいのも」
 料理を持ってくる度に、チクチクと毒を含んだ言葉を残していく。
「お待たせしました。材料はIGOから自由に使って良いと言われているので、足りなかったら言ってください」
 小松が最後の皿をテーブルに乗せ、手伝ってくれた子供達の頭を撫でた時、小さな3人の表情が嬉しそうに緩んだのをトリコ達は見逃さなかった。
 自分達にも一龍という親代わりとなる人が居たから世を恨むことはなかったが、果たして自分達はこんなに、心底嬉しそうな表情をした事があっただろうか。楽しいと感じる事はあっても嬉しいという感情をはっきり意識できたのは小松に出会ってからしか記憶に無い。
 今更ではある上に過去に戻った所で「今の小松」に出会うことは出来ないと解っていても、ここにいる小さな3人が羨ましく思えてしまった。
「小松。話の続きなんだけどな」
 小さな3人が余計な事は話すなと睨み付けてきているのが見なくても解る。
「小松君もレストランの仕事をした上、この子達の世話をするのは大変だと思うんだ。ハントに出る時間もなくなっているみたいだしね」
「こいつらに力の使い方、教えられるのオレらだけだし。マツじゃオレの触覚見えねだろ?」
「確かにそうですけど…」
 出会い頭の様子からすれば、多少の力は使えるのだろう。
 だが完全にコントロールする為には、相応の訓練が必要になる。
 小松ならば小さな3人にその能力がどの様なものか説明する事は可能だが、その力を振るうにはどうしたら良いかを教える事は出来ない。
 グルメ細胞を持たない小松がグルメ細胞を持つ者を育てるにはやはり限界があるだろうし、力の使い方を熟知している自分達で無ければわからない負担もある。
「って事で、松は引越しの準備で明日は休みだな」
「…はい?」
「ここだと人目も多いからね。家の中だけで教える訳にはいかないし」
「ちょ、ちょっと待ってください」
「場所は所長に言って直ぐに用意させっから心配すんなって」
「だからなんで引越しの話になるんですか!」
 小松の抗議などお構いなし。
 IGOの力ならば人目につかない広い土地など幾らでも用意出来るだろうし、小松の通勤手段も何とでもなるだろう。
「思い立ったが吉日、それ以降は全て凶日っていつも言ってんだろ?」


 勝手なと思ってしまうが、小松も考えた事が無いわけではなかった。
「…ほんとうにひっこすの?」
「あの人達を止められない限りはそうなりますね…」
「おれたちはどうすんだ?」
「一緒に決まってるじゃないですか!」
「まつといっしょならどこでもい!でもまつがやならや!」
「…皆さんの事を考えたら、引っ越した方が良いんですよ。それはボクも解っているんです」
 狭い部屋の中しか知らずに育てるのではなく、広い世界も教えてあげたかったのは確かで。
 ただこの3人の容姿はどうしても目立ってしまい、IGOの機密事項である研究所も絡んでいる。
 人目の気にならない広い場所があるならば、子供達の成長の為にも最適ではあるのだが。
「…皆さんは人の話を聞かないような大人になったら駄目ですよ」
 元気に返事をする子供達を前に「真っ当な大人に育てよう」と決意を新たにする小松であった。

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HN:
神薙
性別:
女性
職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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