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WJ作品中心のSSブログ。 現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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DB更新~

この話で「たった一人の最終決戦」に出てきたキャラは全員出た!と思ったら…2名ほど出てませんでした…

台詞の少なかったサイヤ人2名…今後も出なかったかと…(^_^;)

さぁ!気を取り直して、Relation【Past】第3話です!

※当時(2006年5月発行)の作品を一部改定しております※


 後日、カカロットには目立った後遺症も見当たらず、生誕祭は無事に執り行われた。
「親父!絶っっっ対にカカロットの事、離すなよ!」
「んなこたしねぇよ・・・」
 失われたカカロットの尻尾はメディカルマシンで再生する事が適わなかった。
 その為、近くの星に住む動物の尻尾を拝借し、オムツに内側から縫い付けるという至ってシンプルな方法でこの場を乗り切る事になったのである。
 ただし、カカロットが動き回ったり暴れたりして脱げてしまうと全部が台無しになってしまう為、祭りの間中バーダックが抱きかかえていることになったのだった。
「一体何時間見世物になってりゃいいんだ?」
「後3時間・・・程度だな。ワシとてさっさと済ませられるものならば終わらせたいと思っている」
 隣でブロリーを抱えているパラガスも内心うんざりしていた。
 祭り、と言っても当事者には暇で退屈な催しでしかない。
 惑星中のサイヤ人やツフル人が集まり、城下町も他の星からの行商人で賑わっている。
 そんな楽しげな声も、身動きの取れないバーダック達を苛立たせるのに一躍買っていた。
 主役である赤ん坊とその親は城下を巡った後、王宮の庭に特設された東屋にて祭りが終わるまでの間、ずっといなければならないのである。
 そこでは城に勤めている文官(主にツフル人)や武官(主にサイヤ人)の他、交流のある星の重臣達が代わる代わる祝辞を述べ、中にはスカウターを持ち込み赤ん坊の戦闘力を測っていく者まで出る始末。
「・・・・・・・・・・・・そろそろガキもやべぇ気がすんだけどな・・・・・・・・・・・・・」
 腕の中の赤ん坊がもぞもぞと身動きを始めている。
「確かに・・・・・・・・・・・・」
 ターレスとラディッツは最初こそ面白そうに周りをうろうろしていたが、次第に暇を持て余すようになり先程城下へと遊びに出てしまった。
 聞き飽きた祝辞の列も、どれだけの人が集まっているのやら。最後尾はまだ見えない。
「この子等はとても数奇な星の元に生まれておりますな」
 カカロットの動きに気を張っていたバーダックが顔を上げると、目の前には宮廷占者として王宮に仕えているカナッサ星人がいた。
 カナッサ星人の一部には不思議な力を持つ者がいるが、この宮廷占者は吉凶の判断をするより何時どの星に攻め込めば効率良く戦闘が行えるかをはっきりと伝える為、軍師的な立場でもあった。
 周囲の者曰く、彼は未来が見えているのではないか、と。
「不運に見舞われる事も多いが、周囲の星に恵まれている。これは…直ぐにも証明されるが、この子の存在により大事が決する事もある。将来を思うなら、この子の好きなように過ごさせるのが一番だ。星々との巡り会いがこの子の力を更に引き出す事になる」
 カナッサ星人の占者はそのままブロリーの前へと移動する。
「この子もまた、強い星の元に生まれている。あちらの子が自ら光を発するとすれば、この子はその光を受けて輝く双子星と言っても良いだろう。その為、運命を共有する事が多い。だが…目を離してはならない。己の力を己の意思で発揮する為の努力が必要だ。出来る限りあちらの子と共に過ごさせれば運命の糸は繋がり、より良い方向へ向かう事になる」
 直接、占者の占いを聞くのはバーダックもパラガスも初めての事だった。
 噂には聞いていたがこれ程はっきりと断言するとは思っていなかった為に、思わず話に聞き入ってしまう。
「了承した。2人に関しては十分に貴殿の言に沿う事にする」
 パラガスの言葉に満足げに頷くと、カナッサ星人はその場を後にした。
 その後はまたお決まりの言葉しか口にしない祝辞が延々と続く。
 そろそろ祭りも終盤へと差し掛かった頃、不意に城門の方が騒がしくなる。
 いつの間にか、城下のざわめきも消えていた。
「み、南の銀河よりわ、惑星フリーザからフリーザ殿が祝辞を述べに参られました!」
 その場に居た文官・武官が顔を見合わせた。
 現在、惑星フリーザとは不可侵の条約を結ぼうと、王を中心に奔走している最中である。
 余計な揉め事を起こしたくないのだが、本日の主役席に惑星一のトラブルメーカーとも言えるバーダックがいるのだ。交渉に当たっている者達は余計な事はしてくれるな、と祈るしかない。
 静かに人の波が右へ左へと分かれる。
「フリーザ殿、遠路遥々ようこそ御出で下さいました」
 サイヤ人より小柄なフリーザの左右には側近のザーボンとドドリアが控えている。
 フリーザの父・コルド大王は既に南の銀河の半分を掌握していた。
 そしてフリーザもまた、父王の命により東の銀河にて侵攻作戦を展開中なのだが、思いもよらない抵抗にあい、惑星群へ派兵する兵士の数が不足し始めてしまったのである。
 これには西の銀河を侵攻中のフリーザの兄・クウラが裏で糸を引いているのだが解ってはいても証拠が無い為、表立った抗議が出来ず兵力を消耗する日々が続いていた。
 そこでフリーザが目を付けたのが一族の侵攻対象になっていない北の銀河で最強と言われる「戦闘民族サイヤ人」の力であった。
 だが、双方が合意できるだけの条件が整わず、交渉は平行線をたどっている。
「王権交代後の始めてのお子さんであり、文武両道で知られる王補佐とサイヤ人一の戦士のお子さんとなればお祝いに来ない訳にはまいりませんよ。そちらがパラガスさんのお子さんですね」
 パラガスは不本意ながらも、差し出されたフリーザの手にブロリーを渡した。
「産まれながらにこの戦闘値とは…流石としか言えませんね」
 フリーザはブロリーの戦闘力を測るとパラガスへブロリーを返し、その手をバーダックへと向けた。
「さて、こちらが狂戦士バーダックさんのお子さんですか」
 差し出された手に、ずっと抱かれたまま退屈していたカカロットは自ら乗り移り、嬉しそうに笑い始めた。
「随分と元気なお子さんですね。さて、戦闘値は…」
 フリーザがスカウターを操る為に片手を離した瞬間、カカロットがバランスを崩してしまう。
「フリーザ様!」
 倒れ落ちるカカロットを受け止めるべくザーボンが手を伸ばしたが、間一髪フリーザ自身の手によりカカロットの落下は免れた。
「失礼。子供に障るのは久しぶりなもので」
 心なしか、バーダックとパラガスの顔が青ざめていた。
 それもその筈。
 フリーザが現在掴んでいる場所に大きな問題があった。
 それは2人の予想を裏切る事無く、ブチッと音を立てる。
 今度こそ落下してしまったカカロットは先程傍まで来ていたザーボンがしっかりと受け止めた。
「あ……赤ん坊のシッポが!」
「産まれて間もないというのに…なんと可哀想な…」
 東屋に集まっている者達にとって、信じられない光景だった。
 そう、事実を知らないものには、故意ではないとはいえ祝の場でサイヤ人の象徴とも言えるシッポをフリーザが抜いてしまったとしか見えなかった。
 当のカカロットは遊んでもらったと勘違いしているのか、ザーボンの腕の中で先程以上にキャッキャと笑っている。
「バーダックさんのお子さんには申し訳ない事をしてしまいましたね」
「いやいや、この程度の事をお気になさらずとも。そうだろう、バーダック」
「あ、あぁ!シッポなんざまた生えるからなぁ!」
 これで後々シッポが抜けた理由を考える必要がなくなった。
 内心「やった!」と思っている事が表情に出ないように、気を引き締める。
「そう言って頂けると助かりますね。ザーボンさん、ドドリアさん。そろそろ戻りましょうか」
 フリーザが振り返ると、2人ともカカロットを相手に遊んでいたのか慌てて姿勢を正していた。
「…パラガスさん、条約の件ですが先日そちらから送られてきた条件でサインさせて頂きます。後日この者達に持たせますので、ベジータ王によろしくお伝え下さい」
 今まで調印を渋っていたフリーザが合意する気になったのが罪悪感からなのか、これ以上サイヤ人を刺激しないためなのかは不明であるが、交渉をしていた者達にとっては願ったり叶ったりである。
「………一石二鳥とはこの事だな」
 フリーザの姿が完全に見えなくなると、見守っていた者達にも安堵の表情が浮かぶ。
 カカロットのシッポが抜けた瞬間、バーダックが暴れだすと誰もが思っていたのだ。
 そんな事になれば条約どころではない。
 最悪の場合この場で戦闘が始まっていてもおかしくなかったのだ。
「全く、フリーザ様々ってとこだよなぁ。いいタイミングでシッポも取れたしよ」
 ザーボン達に構われたのが余程楽しかったのか、カカロットは未だにフリーザ達が立ち去った方向を眺めている。
「まさかこれしきの事でフリーザが条約に調印するとは思わなかったがな…」
 パラガスは先程のカナッサ星人の言葉を思い出していた。
『直ぐにも証明されるが、この子の存在により大事が決する事もある』
 彼の言葉が真実を紡いでいるならば、ブロリーの潜在能力を見誤らない様にしなければならない。
「………バーダック………そう言えばまた家を壊したそうだな」
「つい…な」
 先日の《カカロット拳骨騒動》の後、帰宅したバーダックはラディッツと再び揉め、自宅一帯を破壊。現在は下級戦士用の官舎に仮住まいをしている。
「この際、こっちに引っ越して来たらどうだ。お前ならば問題ないだろう?」
 バーダックが居住を構えていた地区は住宅が密集している通称「下流区」であるが、パラガスの住む「上流区」ならば一軒一軒の敷地が広い為、バーダック達の親子喧嘩による被害も少なくなる。
「テメェの事だ。どうせさっきの占い師の言葉が気になってんだろ?ワリィがそっちには気にくわねぇヤツが多いからゴメンだな。ま、何処にも行く場所がなくなったら考えてやるよ」
 そんな話をしている頃になってやっと、ベジータ王が東屋に到着した。
 フリーザの来訪を報告されたが来賓との挨拶を中々切り上げる事が出来ずやっとの事で来たのだが、既にフリーザは空の上の人となっている。
 だが王はその場に居た文官・武官達からフリーザが条約に合意したと聞くと慌しく王宮へと戻ってしまった。


 余談であるが、その後カカロットの元を訪れるザーボンとドドリアの姿が度々目撃される事となる。


 フリーザとの条約が締結した事により、惑星ベジータは更に豊かになりつつあった。
 サイヤ人の戦闘力。
 ツルフ人の技術力。
 そして新たに手に入れた東の銀河ならびに南の銀河との交易権。
 一部の大商人にのみ許されていた権利を手にした事により、傘下の星々としか行われていなかった公益事業が拡大。商業計画をツフル人が立て、他星の商人達の護衛をサイヤ人が行う事により、後に莫大な利益を上げる事になる。
 惑星ベジータの傘下になる事でその権利を手に入れられるとの話を聞きつけ、自ら傘下に加わる惑星も増えつつあった。
 条約によりフリーザから要請された西の銀河制圧への派兵は、他の種族に比べて人口の少ないサイヤ人にとって国力の低下を招きかねなかったが、バーダックを中心とする戦闘力の高いものを選抜する事で30名程度の派兵で済んだ事により、その危機を免れた。
 また、この派兵はフリーザの一族に「サイヤ人の力」を示す絶好の場となり、惑星ベジータはフリーザ一族の侵略の対象から共存の対象へと変わりつつあった。

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HN:
神薙
性別:
女性
職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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