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WJ作品中心のSSブログ。 現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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今日、親父が届きました。
超サイヤ人な親父のカードが!
…解っていたけど違和感が…
やっぱり親父はノーマルが一番です。

そして、DBの話題から始まったと言うのに…DBの更新を待ってくださっている方々…すみませぬ…
今日も…トリコの更新となってしまいました…
流れの都合上、ちょっと続けて更新したいなぁ…と思ってしまって。

という事で、【永劫回帰】 第20話です。


「いやです…ぼくはこまつさんをたすけたいんです!ここにいるぼくたちじゃなくて、こまつさんを…」
 動かなかった足は、小松の方へと思えば動いた。
 自分が今、何をしたいのか。
 無責任な事ばかり述べる者達を助けたい訳じゃない。
 此処に居る研究者達も、もう如何でも良い。
 助けたいと思えるのは唯1人だけ。
 トリコとサニーも、頭では小松の言葉通りにしようと思っていた。
 でも心と身体はそれに従ってくれなかった。
 そこでもう答えは出ていた。
「…ココさん、ボクは大丈夫ですよ。ちゃんと、皆さんがトリコさん達と戻ってくるのを待っていますから」
 そして小松もまた、この状況になって初めて解った事があった。
 解ったつもりになっていた【ココ】の気持ち。
 出来る事ならば大丈夫だという言葉と共に3人の頭を撫でて、抱きしめて、安心させてあげたかった。
 そうしたくても、今の自分には出来ない。
 想像していたよりも遥かに辛かった。
 触るだけで相手を傷つけてしまう、と言うのは。
 相手が傷つく事を恐れていなくとも、傷つけてしまったら自分で自分を許せない。
 今、ココ自身も自分のせいでそんな思いを抱いているのだろうと思うと、胸が痛くなった。
 守ろうと思ってとった行動が、結果的に相手を傷つけてしまう。
 それでも     きっと同じ場面に再び遭遇したならば、やはり自分が傷つき相手も傷つけてしまう道を選んでしまうのだろうと小松は思った。
 そして、今、小さな3人の視界から自分の姿を消さなければならないとも。
 自分が彼等の前で辛い姿をすればするほど、彼等は自分を責めてしまうから。
「もう少し休めば動けるようになると思います。だから心配しないで大丈夫ですよ」
 身体はまだ動く。
 言葉もまだ話せる。
 だが、油断すれば意識が遠退きそうになった。
 まだ動くが      感覚が無い。
 まだ話せるが      舌が縺れそうになる。
 一刻も早くこの場から遠ざけたかった。
 皮膚から吸収された毒は確実に身体を蝕んでいた。
 小さな3人の目が無ければ、とっくに意識を手放していただろう。
 死を覚悟することはこれまでに幾度もあった。
 実際に一度死んだ事もある。
 が、今のように死への道を実感する事は無かった。
 意識は保っているが視界が霞み始める。
 霞む視界に映るのは
         涙を隠す子供。
         涙を堪える子供。
         涙を流し続ける子供。
 優しい子供達の姿。
 きっと、自分の言葉に従って、その後ここに戻ってきた時。
 優しい心を持った3人はこの場を離れなければ良かったと後悔するだろう。
 そう解っていても、自分の弱り行く姿をこれ以上見せたくなかった。
「…ほんとうにだいじょうぶなんだよな!」
「大丈夫ですよ」
「れたちのこと、まってる?」
「はい、待ってます。ここにいる皆さんと一緒に」
「ぼくじゃたすけられないから…だから…」
「いいえ、皆さんなら出来ます。だから        行ってください」
 小松の言葉に、何度も何度も振り返りながらも3人は懸命に足を動かして一歩一歩階段を上ってゆく。
 その姿が見えなくなるまで、小松はジッと見つめていた。
「小松シェフ…貴方は…」
「…良い子達でしょう?失敗作なんかじゃ無いんです。あの子達も、ここにいる子達も」
 悔いは山のように残っている。
 小さい3人の事も、大きいくせに子供のような3人の事も、ここに居る子供達の事も、料理の事も。
『しっぱいさくじゃない…?』
『れたちも?』
『なぁ…だいじょぶ…なんだよな?』
 視界が薄暗くなる。
 段々と、段々と、此処に来るまでの道の様に暗く。
 遠くで研究者達が何かを言っているが、聞き取る事が出来なかった。
 そして人とは違う、悲しげな声。
 何かを呼ぶような。
 何かを伝えようとしているような。
 その声の主を確認する事も無く、小松は意識を閉じた。

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HN:
神薙
性別:
女性
職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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