WJは毎回、朝購入して通勤中の電車の中で読んでいるのですが…トリコを読む時に表情が変わらないようにするのが大変だったりします(^_^;)
今週は　トリコ×小松←ゼブラ　って感じでしたし。
あんまり居ないんですよねぇ…女性で電車の中でWJ読んでる人って。男性は結構いるんですが…私が変わってるのかな？なんて思ってしまったり。


さてさて、【永劫回帰】の第2話です。
間に【断章取義】を2度も更新してしまったので、一週間以上経ってしまいました…

始めた時は受け入れて貰えるかな？と不安だったのですが、拍手を頂いて受け入れてくださる方も居るんだと思うと書いてよかったと思えます。

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　白いモコモコした物体が家の中を走り回る。
「待てって、ってんだろ！」
　その後をサニーが触覚を伸ばしながら追いかけるが中々捕まえる事が出来ない。
　白いモコモコした物体は目標を見つけるとパッと飛びついた。
「まつ！」
「うわっ、あ、危ないじゃないですか」
　料理をしていた手を止めてぶつかってきた物体に目を向けると、ぼさぼさの髪とニコニコした笑顔が飛び込んできた。髪からは雫も垂れている。
「わり、洗ってやったら松に乾かしてもらうって走ってっちまった」
「まえや！まつがい！」
「我が儘いうんじゃねーの」
　サニーが触覚を使って小松から引き剥がそうとするが、小さなサニーも触覚で応戦してくる。
　小松の目には見えないが、サニーにつかませないとなると触覚の扱い方は確実に上手くなっているのだろう。
「たまいたいからまつがいーの！」
「まだ頭が痛いんですか？」
　小さなサニーの頭痛の原因は触覚のうち、一番量の多い痛点が原因であった。
　その感覚を抑える術をサニーから教わっている筈なのだが、中々上手くいかないのか度々痛みを訴えている。
「つも言ってんだろ！慣れろ！」
「ま～つ～」
　ここで甘やかしてはいけない。
　つい、言葉が拙いことから甘やかしてしまっていたが精神年齢は別として、実年齢は小さなトリコやココと同じなのだ。
「サニーさん、今日は自分で乾かしてみましょうか？もし、きちんと乾かせたらおやつにピスメチオとメチオンベリーのケーキを作ってあげますよ」
「…たまいたい～」
　これが小さなトリコならば食べ物で釣られてくれるのだが、小さなサニーには通用しなかった。
「…サニーさん…焦げ付かないように混ぜて頂けるだけで良いのでお願い出来ますか…？」
　結局は小松が折れる事にした。
「松、こいつに甘すぎ」
「自分でも判っているんですけどね…こうなると頑として譲らないんですよ」
　多分、いやきっと。小さなサニーは小松が乾かしてくれるまで濡れた髪のまま小松に引っ付いているに違いなかった。
　困った顔をする小松とは逆に、小松が乾かしてくれると解った小さなサニーの顔には満面の笑みが浮かんでいる。
「じゃ、礼はさっきのケーキで」
「良いですよ。きっとサニーさんも食べるって言うと思ってましたから」
　ピスメチオとメチオンベリー。どちらも髪の元となるメチオニンを大量に含んだ食材である。サニーには材料を聞いただけで、小松が小さなサニーの髪を気にしている事がはっきりと解った。
「にしても…」
　小松と小さな自分の後姿を見送りながら、サニーには気になる事があった。
　経験では痛点が痛みを感じるのはそれ程長い期間ではない。
　外気に触れ、触角でモノに触れている内に段々と痛みの感覚が鈍くなり、終いには殆ど感じなくなる。いくらコントロールが出来ないからと、頭を洗った程度で痛みを感じる時期は既に終っている筈だった。
「っつても、松には言えねぇからな…りあえずトリコとココに言っとくか」
　あれが小松の気を引きたいが為の嘘ならば良いのだが、と思わずにはいられなかった。