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WJ作品中心のSSブログ。 現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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皆さんお気づきの通り、神薙の更新は大体20時以降です。

仕事が終って帰宅してからなので、その時間になってしまうんですねぇ…
なら休みの日は?と思われるかも知れませんが…日中はついつい趣味の時間に費やしてしまい、結局更新は夜になったりしてます。

その上、三日坊主の私がよくぞまぁ3週間も連続更新してるもんだと自分で驚いてます(笑)

それにしても…最近10時を過ぎると眠くなってくるのは何故だろう…
かといって早く寝ても朝早く起きれる訳でも無し…なので結局、深夜まで起きてたり。


さて、ちょっと所ではなくダークサイドな話が多い【修羅色の戦士】ですが、余りに直接的な部分は改稿しているので原文よりは読みやすくしているんです…これでも…(汗)
例えば…【修羅色の戦士 - 2】のエリート戦士のセリフを例にしますと、

ブログ版:「制限時間内に誰が一番多く狩れるかを競うんだ」

同人誌版:「制限時間内に誰が一番多く殺せるかを競うんだ」

という具合に。
言っている内容は同じにして、直接的でない表現にするって結構頭を悩ませます…
サイヤ人の特色を出そうとするとどうしてもこういった表現が出てきてしまうので…ブログだと同人誌以上に不特定多数の目に入ってしまう可能性がありますから…
…どうしても換えられない部分はそのままだったりしますけど(-_-;)

※当時(2006年5月発行)の作品を一部改定しております※


 バーダックが長期遠征から惑星ベジータへ戻ると、見た事も無い女性が自分を待っていた。
「あんた、バーダックだろ?あたしは」
「被検体№219だろ。船の中で研究所からの連絡は受けている。だがオレはお前と暮らす義務はない。研究所には話しといてやるから勝手に何処へでも行っちまいな」
 子供を作るだけならば放っておいたが、被検体の女性と一緒に暮らす等とは遠征前には聞かされていなかった。
 1人でいる事が当たり前のバーダックにとって不愉快極まりない。
 無視して横を通り過ぎようとすると、腰に巻いていたシッポを思い切り引っ張られ、無理やり方向を変えられた。
「いい、あたしの名前はロトス!金輪際、被検体№で呼んだりするんじゃないよ!それにアンタの子を身ごもってるんだ、家に置くくらい良いだろ!」
 正面からはっきりと文句を言われたのは、バーダックにとって始めての経験だった。
 大抵の輩はバーダックの力を恐れ、影でこそこそと文句を行く事しか出来ない。
 物珍しげに顔を見下ろしていると、ロトスの顔に諦めの表情が浮かんだ。
「……ただ子供を産むだけの事で、何故オレがお前と暮らす必要があるんだ?」
 バーダックは親という存在は知っているが、必要だと思った事は無い。
 生まれた時から研究所で被検体として育った彼には、家族という概念も無かった。
「あたしが母体になる条件として研究所に突きつけたんだよ。アンタは知らないだろうけど、子供を産む時、あたしが死ぬ可能性は8割以上。ちょっとくらい結婚生活ってモノに憧れても良いと思わない?」
 バーダックは何故か、これ以上彼女に反論する気が起きなかった。
 シッポから手を離させると、何も言わずに歩き始める。
 暫く後姿を眺めてしまったロトスが慌てて追いついた時に覗き見た顔には、狂戦士として見せた事の無い、苦悶に満ちた表情が浮かんでいた。


 ロトスと暮らし始めてから、研究所からの遠征指令が途絶えた。
 何度問い合わせても、今までのペースが異常だったのだと一蹴されてしまう。
 一度研究所の一部を破壊して見せたが、それでも出撃命令はおりなかった。
 その一方で苦痛の種は増している。
 きっかけはロトスに無理矢理連れ出された市場での事。
 何故バーダックが、と周囲が声を上げている中、ざわめきが聞こえた。
 そして、そこには同じくこの場には似つかわしくない者達の姿。ベジータ王子とお供が2人。
 バーダックが市場に居るという情報を聞きつけた彼等は実は慌てて飛んできたのだが、さも偶然であるかのようにバーダックに話しかけ、狙い通りロトスから家へのお誘いを受けたのだった。
 それ以来、日を置かずに訪ねて来る。
 家主である筈のバーダックの苦情が受け入れられる事も無く、何故か今日も5人で食卓を囲んでいた。
「………で、いい加減テメェ等が押しかけてくる理由を言え」
「奥さんの手料理に決まってるだろ!」 
 間髪入れずに答えたのはトーマだった。実際、彼の目的はバーダックではなく料理だったのだが…。
「そんな事は何度も聞いてら。そろそろ本当の目的を言えって言ってんだよ。それとも何か、そいつのツラの責任でも取れってのか?」
 パラガスの左目は思った以上に怪我の状態が酷く、復元不可能となっていた。
 それと共に深く切り裂かれた傷が残ってしまっている。
 左側が死角となってしまった今、パラガスが戦場に出ることは難しかった。
「そうだな…では、パラガスの代わりに私のチームに入って貰えるか?」
 ベジータの言葉を聞くと、バーダックは大げさに笑い出した。
「冗談だろ?テメェ等、何も知らねぇのか?」
「噂ならば聞いている」
 戦場においてはチーム単位での行動が作戦の基本となっている。バーダックは現在、臨時編成以外でのチームを持っていなかった。数回、正規のチームを組んだ事はあるが、他の面子は悉く死亡している。
 バーダックが彼等を殺した、との噂が広がり、チームを組みたがる者は居なくなっていた。
「お前にも良い話だと思う。王は私に死んで欲しいと思っているからな。過酷な戦地が割り当てられる率はかなり高いぞ」
 バーダックの笑みが、狂戦士のそれへと変わった。
 最後の戦闘から既に5ヶ月。
 バーダックの心の葛藤は限界に近付いていた。
 これ程長い期間、戦いから遠ざかった事は今まで一度も無い。
 目を閉じると、懐かしい風景が蘇る。血の臭いと温かさを感じられる、見渡す限り赤い世界。
「テメェ等の命の保証が無くてもいいなら、組んでやっても良いぜ」
 この生活から抜け出し、一秒でも早くあの場所へと戻りたかった。
「ちょっと!あたしを無視して話を進めてるけど、あと二ヶ月もしたらこの子が産まれるんだ。それまで」
「黙れ。そこまでオレが付き合う必要はねぇだろうが」
「…名前…一緒に考えるって…」
 そんな約束をした記憶はなかった。
 多分、返事をするのが面倒で適当に答えてしまったのだろう。
「勝手に決めろ。名前なんざ付けても、どうせ番号で呼ばれるんだろうしな」
 実験の一端として創られた命ならば、産まれた直後から研究所での生活を強いられる事になるだろう。
 そうなってしまえば、名前など不要になってしまう。
 現に《バーダック》という名前も、部隊に加わる必要性から付けられた名前だった。
 それまでの十数年、№で呼ばれていたが特に不自由を感じた事はない。
「バーダック。名前は必要だぞ。名前がなければ個人の識別に困るだろう」
「番号だって識別出来るだろ?」
 個々に割り当てられる番号。研究者達の会話も全て№で行われていた。
「現にオレは番号で呼ばれて不自由に感じた事は無かったぜ。十数年、№……」
 自分の№を告げようとしたが、言葉が続かない。今の名前よりも長く呼ばれ続けていたというのに。
「ほらな、番号なんて無機質な呼び方じゃ直ぐに忘れちまうんだよ」
 勝ち誇った様にトーマが言うが、バーダックの耳には届いていなかった。
 他に研究所にいた者達の№は、死んだ者達の番号さえも思い出す事が出来る。
 自分を産んだのが№035。
 その相手が№028。
 訓練で最初に殺した相手が№064。
 次々と顔と番号を思い出すが、自分の番号だけが出てこない。
「おい…お前はオレの№を聞いているのか?」
 ロトスがバーダックとの話を聞かされた時の状況を必死に思い出すが、会話の中に№が出てきた記憶は無い。
「研究所の連中もバーダックって呼んでた気がする。あたしの事は№で呼んでたけど…」
「あそこの連中が№以外で呼ぶなど有り得ない。現に私の事も№103と呼んでいる」
 王子であるベジータもまた、幼年期を研究所で過ごしていた。
 しかし、王子の存在を隠し通せるわけも無く、訓練で中々死なない事に業を煮やした王は表に出し、反王政派の矢面に立たせる事にしたのだ。
「そうなりますと王子やロトス殿とは違う何かが、バーダックにはあると言う事でしょうか。№で呼ぶ事の出来ない何かが」
「パラガス…調べて貰えるか?」
 解りました。と短く頷くとパラガスは早々にバーダックの家から立ち去っていった。
 それを機に会話が途切れ、音の無い時間が続く。
「……ベジータ王子…本気でバーダックを戦場へ?」
 沈黙を破ったのはロトスだった。
 既に日は落ち、闇の時刻が迫っている。
「余計な事は言うんじゃねぇ。こんなところに居る方がオレにとっちゃ地獄なんだよ。早く暴れたくて仕方ねぇんだ。ベジータ、チーム組むならさっさと手続きをすませろよ」
「だけど!」
 反論するロトスをきつい視線が射抜いた。
 有無を言わせぬ殺気の篭った眼差し。
「…解った。明日にでも手続きは済ませておく。だから彼女を威圧するのはよせ」
 ベジータとてバーダックの殺気に恐怖を感じない訳ではない。
 これに比べたら今まで経験した戦場など生易しく思える。
 父王に認められ狂戦士としての特権まで与えられた男を疎ましく邪魔だと思っていた気持ちが、この数ヶ月で影を潜めていた。
 バーダックがこれ程の戦闘力を、殺気を身に付けたのはそれ相応の戦いを強制され、相応の代償を払ってきたからなのだと、何故か今まで考え付かなかった。
 パッと出の最強の戦士など居るわけも無く、表に出るまでどれ程過酷な戦闘訓練を繰り返してきたのか。
 自分の出生の事実を知っている者が自分を色眼鏡で見ているように、自分もまたバーダックを王の最強の駒としてしか見ていなかった事実に愕然とした。自分だけは噂だけではなく、物事の本質を見極めてから己の意思で判断すると決めていたと言うのに。
 そして、気付き、彼を知れば知る程にその力を借りたくなった。
 戦力としてだけではない。
 ベジータの計画が成功した際、バーダックが自陣にいれば彼の命を救う事が出来る。
 非道な計画の犠牲者でもある彼を、王側の者として戦わせたくなかった。
「早いトコ頼むぜ。だが、くだらない内容の指令は断れ。出来るだけ戦闘の楽しめる戦場を選べよ」
「了解した。長居してすまなかったな」
 バーダック好みの危険な戦場ならば、放っておいても割り当てられるだろう。
 今、王はバーダックを戦場に出したくない様だが、王子である自分を殺したい気持ちの方がが強いに違いない。
「王子、バーダックにあの事を言わなくて良かったんですか?」
 バーダックの家から離れ、人気が無くなった所でトーマが話を切り出す。
「まだ時期尚早だ。王宮内部や研究所内にも協力者は必要だからな。バーダックの協力を仰ぐのは、全てが整ってからでも間に合う。それに…現状では彼の協力は得られないだろからな」
 事を急いては今までの苦労が台無しになってしまう。
「4年…あと最低でも4年は必要だ。全てが整うまでにはな」
 サイヤ人が絶滅する前に、事を成さねばならない。
 ベジータは未来を掴み取る、確かな手応えを感じ始めていた。

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プロフィール
HN:
神薙
性別:
女性
職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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