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WJ作品中心のSSブログ。 現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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お…親父の誘惑には勝てませんでした…

というか、先日カードの話を書いたらどうしても「今、親父達のカードってあるのかな…」などと思ってしまい…衝動買い…
駄目ですね…意思が弱くて…
でも書き下ろしの親父を見たらどうしても手が伸びてしまったんです(^^ゞ

…トリコはここまではハマらないようにしたいなぁ…なんて思いつつも先日、キャラソンを買ってしまった始末…

物だけが増えていきます…


 その日は空一面、白い雲に覆われていた。

「父さん………」
 不安げな表情でブロリーがパラガスを見つめる。
 今日は休みを取った、とパラガスは珍しく家に居た。
 教育係にも、久しぶりに親子2人で過ごす、と今日は帰ってもらっている。
「良いか、ブロリー。次の見張りの交代時間を狙うぞ」
 パラガスはブロリーを連れて外へ出る決心をしていた。
 この数ヶ月。
 配下の者に見張りを監視させ、少しでも外へ出る隙を探した。
 しかし、相手も精鋭を選んでいるだけに中々隙が見つからなかったが、一瞬、見張りが交代する瞬間だけ僅かながら隙が生じると報告が上がってきた。
「カカロットに会いたいのだろう?城下へ行けば、会える可能性がそれだけ高くなる。出来るならばカカロットのいる地区まで連れて行ってやりたいが、私では目立ってしまうからな」
 カカロットの住む地区は下級戦士が主に暮らしているためエリート戦士のパラガスが行けば目だってしまうが、城下町では商業取引も盛んに行われている為、下級戦士からエリート戦士まで入り混じっている。
 また、今日は内部の協力者の手によりカカロットとブロリーを会わせる計画が進められていた。
「でも………」
 ブロリーとてカカロットには会いたい。
 会いたいが…見つかってしまえばパラガスの立場が危うくなってしまう。
 自分が外に出る事で父が罰を受け、自分の前から居なくなってしまうのではないか、という恐怖がブロリーの中で渦巻いていた。
 自分が気を許せる唯一の肉親であるパラガスが居なくなってしまったら。幼いながらもブロリーは自分の事を父親以上に理解していた。
 それに外へ出ることを戸惑わせているのは父への思いだけではない。
       外の世界自体への恐怖。
 窓から見える景色は無機質な建物ばかり。
 見張りの兵達の冷たい視線。
 晴れていれば温かい気持ちにしてくれる空も、今日は生憎と雲に覆われ光を見ることが出来ない。
 外を知らないブロリーには外は恐怖の対象でしかなかったのだ。
「それに先生は大きくなればカカロットにも会えるって言ってたよ。だから」
「だから何だ。あれの言う事を鵜呑みにするなと教えたであろう。ブロリー、良く聞きなさい。今の元老院や王の側近達にお前とカカロットを会わせる気はない。今を逃せばカカロットに会えるのが何年先になる事か…いや、一生会えない可能性もあるのだぞ」
 惑星ベジータの中枢に根を張っている腐った部分を排除しない限りは、何年経とうと現状のまま変わらない。
 それだけ腐敗している部分が大きくなってしまっているのだ。
「でも、そうしたら父さんが」
 自分の事より人の事を第一に考えるブロリーの性格は、ブロリーが一度も会うことが叶わなかった母親に良く似ていた。
「ブロリー。お前は『でも』が多いな。カカロットの父親の前だったら間違いなく拳が飛んできているぞ。私も昔、『だが』が多いと幾度も殴られそうになったからな」
 実際には殴られていたのだが。
 そう言って、たった数年前の出来事を『昔』と言ってしまった自分に気付く。
 そう感じてしまうほど、パラガスはバーダックに会っていなかった。
 最近ではトーマと連絡を取ることすら難しくなっている。
 トーマの周囲にいる友人達や、信頼の置ける部下達の存在が無ければ今日の計画も実行に移す事が出来なかっただろう。
「カカロットの兄であるラディッツやターレスも、お前達を合わせる為に動いてくれている。今日、行かなければ彼等の協力も無駄になってしまうのだぞ。それでもお前は行かないと言うのか?」
 返事をする代わりに、ブロリーはパラガスの手をギュッと握り締めた。
「確かに、お前と違いカカロットには赤ん坊の頃の記憶は無い。お前を見ても誰だか解らないだろう。それでも私は」
 2人を会わせたかった。
 ブロリーの為に。
「カカロットは…きっと僕を解ってくれる」
「ブロリー…」
「大丈夫。ごめんなさい、父さん。僕もカカロットに会いたい。それに僕が普通じゃないんでしょ?だからカカロットが僕のことを覚えて無くても良い。カカロットに会えればそれだけで」
 この日はじめてブロリーは己の意思を込めた瞳をパラガスに向けた。

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HN:
神薙
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職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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