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WJ作品中心のSSブログ。 現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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昔、【ZODIAC】というシリーズで【Relation】とも【STRAIN】とも違う設定で書いていたのですが…いざ、改稿しようと探すと見つからないものです(-_-;)

データは…無いんですよねぇ…
当時(15年位前)はPC等と言う高価な物は無く、ワープロで書いていたのですが…フロッピーがいかれました(笑)
なので発行したモノを一纏めにしておいた筈なので探しているんですが…探すと見つからないものです…
必要ない時は出てくるんですけど…

今回の【AnOpening10】は発行当時、妥協してしまった部分の表現を変えました。
もし、お持ちの方が居たら読み比べてみて下さい(笑)

※当時(2006年5月発行)の作品を一部改訂しております※


 フリーザ軍の後始末をしていると、スカウターに新たな反応が現れた。
 どの反応も地球に到着した際には確認されなかった数値だが、1,000を割っており恐れるような者は居ない。
「ザコだが…どうする」
「カカロットの手掛かりが掴めるかも知れねぇ。トーマ、向こうが仕掛けてくるまで手ぇだすなよ」
 戦闘力を見る限りでは、相手から攻撃されたところで自分達に被害が及ぶ事は無い。
 ならばじっくりと相手の出方を待つのみ。
「おい、お前。まだ此処に居たのか?」
 ターレスが少年の姿を目に止めた。
 フリーザが居なくなった今、フリーザを倒す事を目的としていた少年が此処に居る理由が無い。
 少年は意を決してバーダック達に話しかけた。
「孫悟空という名をご存知ですか」
 少年の言葉にバーダックが反応する。
 その名は先程の戦いでフリーザが口にした名だった。
「ガキ、そのソンゴクウってのは何者だ。フリーザの野郎は超サイヤ人だと言っていたが」
「貴方と同じ顔をした…サイヤ人です」
 バーダックと同じタイプのサイヤ人。
 それも地球に関している者と言えば、知りうる限り1人しかいない。
「カカロット…カカロットの事か!」
 バーダックが少年に詰め寄るが、その分だけ少年は後方へと距離をとる。
 少年はサイヤ人がどの様な人種なのかを聞かされたていた。
 本来ならば会話が通じる様な相手では無いことを。
 だが今は、距離を取ってでも話をする必要性があった。
「今、此処へ向かっている人達は孫悟空さんの知り合いです。あの人達に手を出せば、孫悟空さんは貴方達と戦う事を選びますよ」
 戦う事になった場合、少年に勝てる見込みはなかったが。
 勝てなくとも、足止め位は出来る。
 少年の決意を込めた瞳を見て、バーダックは以前見た夢を思い出した。
 この地球という星で地球人達と楽しく暮らす幼いカカロットの姿。
「確かにな。あの様子じゃ見ず知らずのオレ等より親しい仲間を取るだろうよ」
「バーダック?」
 トーマが首をかしげる。
 バーダックのまるで見て来たかのような言葉。
 自分達とずっと一緒におり、自分達より後に目覚めた彼が何を知っているのか。
「お、王!あれは!」
「…生きていたか…」
 話をしている間にも複数の反応は確実に近づいてきていた。
 その姿が目視出来るようになると、ベジータ王の顔に笑みが浮かぶ。
 最後に生存信号を確認したのは地球とは逆の位置に存在する惑星。
 この星で、地球で再会出来るとは思ってもいなかった。
 ベジータ王の目の前に降り立ったその人物も、ベジータ王の姿に驚愕を隠せずにいる。
「良くぞ無事だったな…ベジータ」
「まさか…父上…」
 次々と地球人が降り立つ中、数十年ぶりの対面を果たした親子の間には緊張した空気が流れていた。

 サイヤ人達が地球へ降り立った頃。
 地球人の中でも力を持った者達がフリーザの存在を感じ取り、その後を追っていた。
 自分達とフリーザの力の差は身をもって知っている。
 それでも。
 今この地球上には自分達しか戦える者がいない。
 ギリギリまで気配を絶って近付き、様子を探る予定だった。
 だが、フリーザの気配が地球上に到達する前に、同等、いやそれ以上とも取れる巨大な気配が現れる。
 新たな敵の存在を覚悟したが、その気配はフリーザが地球に到達すると共にフリーザとの戦いを始めた。
 フリーザ側にも自分達の知らない巨大な気配が1つ。
 4つの強大な力のぶつかり合いは、1つ、また1つと気配が消え、先に降り立った2つの気配が残った。
 この気配の持ち主が誰なのか。
 自分達の大切な存在に似た気配の持ち主を知りたくなり、気付かれる事を承知の上で戦いのあった場へと急行する事にした。
 次第に見える人影は、地球人の彼等にとってとても見覚えのあるシルエット。
「お父さん!」
 地球人の中から小さな人影が飛び出した。他の者が止める隙もない程の速さで。
 突然抱きつかれ受け止めた相手は訳が解らないといった顔をしている。
 少年がその顔を見上げると、面影はあるものの醸し出す雰囲気が違う。
 何より左頬に大きな古傷があった。
「オレにはお前みてぇなガキはいねぇんだがな」
「親父の事だ。どっかで作って忘れてるだけなんじゃねぇのか?」
 同じ顔をした人物が茶化すが、傷のある男に殴られその場を離れてゆく。
「す、すみません」
 その様子をみて少年が離れ、勢いよく頭を下げた。
 少年が顔を上げると、自分の父と間違えた人物は微かな笑みを浮かべている。
「チビ、そんなにお前の親父はオレに似てるのか?」
「あ、はい」
 似ている、で済ませられるベレルの話ではない。
 感じ取れる気配も、己の父を思い浮かばせる。
「似ていて当たり前だ」
 不意に声がかかった。
「その傷…貴様、バーダックだろう。悟飯、お前の祖父に当たるヤツだ」
 悟飯、と呼ばれた少年が目を見開く。
 一目見て、その姿を見て相手がサイヤ人である事は解った。
 フリーザ軍で使用している戦闘服。
 腰に巻かれた尻尾。
 以前、地球に来たサイヤ人と全く同じ姿。
「え…おじいちゃん…?」
 悟飯の記憶に、かつて自分の父の兄だと名乗ったサイヤ人が思い起こされる。
 そして、その男との戦いの様も。
「あぁ。その上、そこに居るヤツはオレの父、サイヤ人の王ベジータだ」
 地球人達がざわめく。
 言葉を発した本人    ベジータ自身も目の前の存在が信じられなかった。
 フリーザからは惑星ベジータ崩壊の際、自分達以外のサイヤ人は全て死滅したと伝えられていたのだから。
「なぁ、ベジータ。ラディッツとナッパは一緒にいるのか?」
「貴様はターレスか?生憎だったな。あの2人は死んだ」
「死んだ…だと…?ラディッツが?」
 ターレスとラディッツはいわゆる幼馴染、の様な間柄だった。
 父親同士の仲が良かった事もあり、2人でよくバーダックに戦いを挑んだり、シヤーチに悪戯をしかけたりしていた。
 長い時間を眠っていたターレスには、惑星ベジータで最後にラディッツと会った時の記憶が鮮明に残っている。
 カカロットが産まれる時。
 遠征中のバーダックに代わり、2人でその誕生を見守る事にした時の記憶が。
『オレさ、これから遠征に行く事になっちまったんだ。お前、まだ休養期間だったよな?』
 カカロットは予定の時刻を過ぎても中々産まれず、ラディッツはその姿を見る事もなく遠征地へと向かう事になってしまった。
 星送りになる日まで頼む、と一言だけを残して。
 下級戦士の子供は例外なく、星送りになる事が決まっている。
 案の定、ラディッツはその日までに戻る事はなく、ターレスは係員に頼み込んでカカロットを個人艇へ入れる役目をやらせてもらった。
 勢い良く打ち出された個人艇の姿が見えなくなるまで、その場を離れることが出来なかった。
 だが、それが幸いした。
 カカロットの個人艇の光すら見えなくなった頃、突然辺りが慌しくなったのだ。
 警報が鳴り響き、大地が大きく振動する。
 次第に亀裂は大きくなり、建物が崩れ始めた。
 射出場にいたターレスはそのまま空いている個人艇に乗り込み、間一髪、崩壊する惑星ベジータから逃れられたのである。
 個人艇の信号を受けたベジータ王の船に拾われ、事の顛末を聞かされた時。ターレスにはバーダックやシヤーチの生死よりも弟を見る事も出来なかったラディッツと帰る星を失ったカカロットの存在が真っ先に気になった。
 惑星ベジータに居なかった2人は、必ず生きていると。
 ならばいつか会う日も来るだろう、と。
「一体誰が!」
「そこに居るナメック星人とカカロットがラディッツを倒した。ナッパはオレが始末した」
「カカロットと…戦った…のか?あいつが?」
 惑星ベジータに居た頃のラディッツを知っているターレスには信じられない出来事だった。
 誰よりも弟の誕生を楽しみにしていたラディッツ。
 戦うことよりも「生き延びる事」をシヤーチから教え込まれていたラディッツ。
 そんな彼が、弟と戦い、その上死んでしまったとは。
「あの…ボクが人質にとられて…お父さんは地球人を殺せって言われて…」
 悟飯が怯えた目でターレスを見る。
 その悟飯を安心させるかのように、バーダックの手が悟飯の頭に触れた。
「あの馬鹿は…カカロットの気持ちを考えなかったんだろうよ。ま、サイヤ人としての考え方は間違ってなかったがな」
「何で親父にそんな事が解るんだよ!」
「カカロットは地球で育った。それも赤ん坊の頃からな。この地球を見りゃ解るだろ。カカロットは何らかの理由でサイヤ人としての勤めを果たさずに育ったんだ。そこに見知らぬ肉親が出てきて自分のガキを盾にして地球人を殺せと命じた。お前ならどうする。赤ん坊のカカロットが見知らぬ肉親に人質に取られ、自分の育った星の者を殺せと命じられたら」
 答えは決まっている。
 肉親と言えど、見知らぬ者の命令を聞く気はない。
 カカロットを奪い返す為に、その者と戦う道を選ぶ。
「だからってよ!…あの馬鹿が!お袋さんとの約束を何で破ったんだ!」
 もっと早く。
 ラディッツが地球へ来たという日に自分も地球に来ていれば。
 どうしようも無かった、過ぎてしまった事だと頭では解っているが、激しい後悔の念が心を占める。
「なら、お前だけでもアイツの願いを覚えておいてやれ。あの馬鹿の分もな」
 悟飯達は言葉を失っていた。
 サイヤ人がこれ程までに仲間の事を思う種族だとは思ってもいなかったのだ。
 地球に来たサイヤ人は誰もが同族であろうとも簡単に殺す事を選んでいたから。
 だから考えた事もなかった。
 自分達が倒した相手を大切に思っている者が存在する可能性を。

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プロフィール
HN:
神薙
性別:
女性
職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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