WJ作品中心のSSブログ。
現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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…あ、気付いたらこれで2ヶ月連続更新…
いつまで続くかなぁ…
カツン、カツン、と足音だけが響く。
一段一段下りる度に深まる闇。
既に小松の目では足元を確認するだけで精一杯になっていた。
「なぁ~ココ。ほんとにみえてんのかよ」
「みえてるよ」
ココの目には壁の中に光る、一筋の軌跡が見えていた。
送電線の類だとは思われるが、小さなココにはそれが何の電磁波を感知しているのか正確には解らない。
「サニーは?なんかみつけらんねぇのか?」
「…まえ…るさい」
サニーもまた、入り口からでは調べ切れなかった場所がないか、危険な物は無いかと周囲に触覚を張り巡らせている。
だがどれだけ触覚で探ろうとも罠も何も見つけられずにいた。
トリコも嗅覚を働かせてはいるが、入ってから何の匂いも感じ取れずにいる。
「どうしましょうか…上にいるトリコさん達の声も聞こえなくなっちゃいましたし…」
小松にはここが目的の場所に繋がっているのか疑問に思えてならない。
いくらなんでも深すぎるのだ。
まして今目指しているのは【死んでしまった子達】が運ばれたと思われる場所。
もしココの記憶にあるような、何人も死んでしまっているのなら。
その度にこれだけの深さのある場所に運ぶのだろうか。
まるで自分達が来る事が解っていたかのように、何も残されていなかった研究室。
機材は残されていたが、手掛かりになるような物は1つも無かったというのに何故ここへの入り口が封じられていなかったのか。
一歩一歩、闇へと足を踏み出す度に小松の中では引き返した方が良いのではないかという考えがよぎる。
人が作ったモノならばこの階段にも必ず終着点はあるだろう。
そこに辿り着いてしまって良いのか。と。
「ここまできたらすすむしかねぇって!」
トリコの言葉にココとサニーが頷いたのが雰囲気で解った。
小松には闇の底に近付いている様にしか思えなくとも、3人は自分達の生きる道がその先にあるかも知れないと希望を抱いている。
3人を前に、戻ろう、と強く言う事は小松には出来なかった。
「待ってる事しか出来ねぇのかよ」
「ボク達には入れない場所…か」
つまりは研究所の所長であるマンサムもこの下にあると思われる部屋には入れない、という事だ。
確かにこの研究所に勤めている大半の人間は小松のような『普通の体格』の者だ。
それでも
とは言え、所長に内密にこれだけのモノが作れるかといえば
「…トリコ…ココ…」
「あ?」
「何?」
「やっべ…間違った…かも?」
サニーの触覚があるものを見つけていた。
コンセントのカバーの後ろ。
カバーを外すと通常ならそこにはない穴が開いている。
「そういえば…小さいボクがロックとか言ってたよね…」
「あの床…鍵掛かってたか?」
3人は慌てて剥がした床材を確認するがそれらしき形跡はない。
床材自体にかなりの重量がある為、それが鍵の変わりと言えなくはないが。
念の為、サニーが新たに見つけた小さな穴を触覚で探ると、カチッ、と音がした。が、部屋の中には何の変化も現れない。
「サニー、この階段以外で隙間があるような場所は」
「壁や床には無かった。ま、壁の感触が違うトコはあったが完全に塞がれている」
サニーの触覚が入る隙間も無いのならば、ここからを資料持ち出した時にでも塞いでしまったのだろう。
「じゃ、その感触が違う壁でも壊してみるか?」
嫌な予感がした。
何かが外れる音。
鍵の無い地下への階段。
小松達に伝えようにも、伝える術が無い現実。
その壁の先に何も無いことを、トリコ達は祈った。
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プロフィール
HN:
神薙
性別:
女性
職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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