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WJ作品中心のSSブログ。 現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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以前、トリコ側のSSで一言目がやや被り、という事態がありましたが…

今回、DB側でも昨日の更新と第一声が被りました(笑)

切った場所が悪かった…


「バーダック!」
 フリーザの宇宙船へと戻ったバーダックが治療室の扉を開けると、物凄い勢いでパラガスが詰め寄ってきた。
「貴様という奴はあれ程言っているのに何故勝手な行動を取る!今回の事にしても一言我等に話してからでも遅くは無いだろう!それとも何か?我等は信用できないと言うのか?大体貴様と言う奴はだな」
 これはヤバい、とこれまでの経験が告げていた。
 こうなったパラガスの説教はかなり長くなる。
 何か逃げ道はないかと室内を見回すと、デカイ図体が部屋の隅で小さくなっていた。
「なぁ、パラガス。ブロリーの奴はどうかしたのか?」
 縮こまっている巨体の傍らには困った顔をした悟飯がいた。
 そして反対側には他の地球人やナメック星人ともう1人の姿。
「あれか…ブロリーがカカロットとの再会を楽しみにしていたのはお前も知った通りだが……」
「上手くいかなかった、って事か」
 パラガスの話が説教に戻らない内にと、バーダックはブロリーへ近付く。
「どうした、ブロリー。やっとカカロットに会えたんだろ?」
「…………」
 重症だ、とバーダックは思った。
 再会が上手くいかない可能性は予期していたが、そうなった場合、ブロリーは理性が切れて暴れ出すとばかり思っていた。
 それが暴れるどころか、気力の欠片も感じられない姿。
 これならば暴れてくれた方がマシだったのではないか、とも思えてしまう。
「お父さんが…自分はカカロットじゃない、孫悟空だって…ブロリーさんが呼んでも返事をしなくて…ナメック星でベジータさんに呼ばれてた時はこれ程じゃ無かったんですけど…」
 その程度のことか、とは言えなかった。
 惑星ベジータから地球までスリープ状態の長かったブロリーの精神年齢は実年齢よりかなり低い。
 ブロリー本来の知能により、知識だけは持っているが情緒面はまだ子供のそれに近いのだ。
「仕方ねぇな。ちょっくらカカロットに挨拶してくるか」
 良いながら、ポンッ、とブロリーの頭を叩くとビクリと反応が返ってきた。
 取り合えず周囲の声は聞こえている様である。
「おい、ソンゴクウって言ったな。俺はバーダック。貴様の父親だ」
 名を呼ばれ、悟空がバーダックへとその顔を向けた。
 その瞳には怒りとも悲しみとも憎しみとも迷いとも取れる、複雑な色が浮かんでいる。
「オラに父ちゃんはいねぇ」
「そうかよ。だがな、テメェに今入ってる心臓はオレの心臓だ。命を助けて貰ったなら、こっちの話くらい聞いてもバチは当たらねぇだろ」
 心臓、と聞き、悟空は自分の胸を軽く押さえた。
 地球に着く前に襲われた締め付けるような痛み。
 それが目が覚めたらさっぱりと消えていた理由。
 俯いた悟空の姿にバーダックは暫くの間返事を待ったが、無駄な時間だと判断し話を続ける事にした。
「フリーザの野郎が言っていたが、超サイヤ人になったんだってな」
 超サイヤ人。
 その言葉にかすかに悟空が反応した事を、バーダックは見逃さなかった。
「サイヤ人の力を使っていながら、オレ達を否定する。随分と調子の良い話だな。まぁ、お前がソンゴクウと名乗りたいなら勝手にしろ。茶番だがオレ達もそう呼んでやる。だがな、アイツが        ブロリーが名を呼んだ時だけは返事をしてやれ。アイツは今日までお前と会える事だけを楽しみにしてきた。お前がオレ達サイヤ人の残忍さを嫌っているなら安心しろ。ブロリーは産まれてから今日までたった1人しか殺してねぇからな。その相手もフリーザの父・コルドだ」
 バーダックがブロリーに視線を移すが、未だに背を向けたまま微動だにしていない。
「アイツは見た目や戦闘力はデカイがスリープの影響で精神年齢はお前の息子程度   いや、それ以下かも知れねぇな。お前の仲間は地球人であってもオレ達の話を聞いた。お前の息子もブロリーを気遣って傍に付いている。ソンゴクウ、お前は何だ?心優しい地球人か?それとも    他者などどうでも良いと考える冷酷なサイヤ人か?」
 バーダックの問いに、悟空はすぐに答える事が出来なかった。
 自分は地球人だと、事ある毎に言い続けてきた。
 ラディッツやナッパ、ベジータと同種のモノであるなどとは思いたくなかった。
 それでも目の前に居る、父と名乗る男の問いに「地球人だ」と答える事が出来ない。
 地球人だと答えた後      本当の地球人である仲間の様にサイヤ人達の話を素直に聞ける自信が、悟空には無かった。

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自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
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