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WJ作品中心のSSブログ。 現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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先月、「季節ネタで毎月考えれば~」なんていった事を今日思い出した御馬鹿です.。
えぇ…7月の「七夕」というイベントをすっかり忘れていました(笑)
「七夕」ではなく…「ターレス記念日」と覚えていたもので(^_^;)
そのくせ、何故かマンサム所長の誕生日を覚えてて「あぁ、そろそろか」なんて思っている始末…
てか所長の誕生日SSって…何書くつもりなんだろう…自分…


ヒスイ様
キリ番コメありがとうございます♪
今回が【一期一会】シリーズ本編通算21話目、外伝や【断章】と併せたら30話を超えているという…書いている本人も予期せぬ長編になってしまっておりますが(^_^;)
これからも駄文なりに頑張って行こうと思っていますので、よろしければ結末までお付き合い下さいませ。
…結末がいつになるかが書いている本人、全く読めてないのが大問題なんですけどね(^^ゞ
当たるように私も祈ってます(^^♪



 人に造られた存在。
 戦うことを強要され。
 強くなることを当然とされ。
 造った者達の思いを具現化させる存在。
 研究者達が求めたのはそんな存在だった。
 研究者達の見せる優しさは、見せ掛けだけの優しさ。
 研究者達の悲しみは、実験が成功しなかった事への悲しみ。
 誰1人として、その実験対象を想って行動するものはいなかった。
 訓練という名の殺戮。
 相手が人間ではない、とはいえ気持ちのよいものではない。
 ただ自分が生きる為には、倒さなければならなかった。
 完全な存在を求めていた者達は、自分達を成功だと言った。
 自分達ほど、不完全な存在はこの世にそうは居ないというのに。
 心の一部が欠けてしまっている。
 そう自覚したのはいつ頃だっただろうか。
 この欠けた心が埋まらない限り、自分達が【人】として生きるのは難しいだろう。
 限られた場所でしか自由の許されない生活から、一気に行動可能範囲が広がった日。
 外の世界には、より多くの人と生物が存在していた。
 無意味な殺戮をしなくても良い世界。
 新たな出会いも、別れも経験した。
 それでも欠けた心が埋まる事は無かった。
 外に出てからの何年かは、それを求めて様々な場所を巡った。

 どれだけの月日が過ぎた頃だろうか。
 不意にある考えが脳裏を過ぎった。
 そもそも、欠けていたのではなく元から無かったのではないかと。
 欠けたものならば取り戻せるが、元から無いものを取り戻すことなど到底不可能である。
 だから、諦めた。
 取り戻せないものの為に時間を費やすのを止めた。
 それからというもの、【自分】が存在できる場所を確保し、己のやりたい事をする生活を繰り返すだけの日が続いた。
         あの日までは。


 ウォォォォォン


 何処からか獣の鳴き声が聞こえる。
 その声に、思考が【今】へと引き戻された。
 何かを訴えかけるようなその声は、断続的でありながらも止む事は無い。
 声の方へ、声の方へと向かうと人工物のような形が見えた。
 距離が縮まってくると形がはっきりとしてきたそれは     命短き者達の墓標。
 埋葬したというマンサムの言葉は嘘ではなかった。
 だとすれば、ここは丁度庭の中心地ということになる。
 声は間違いなく、その墓標の辺りから聞こえていた。
 そして別の方角から同じ場所へと向かっている気配が2つ。
「なんだ、前らにも聞こえたのか?」
「ただの遠吠え、とは思えなかったからね」
「あぁ。場所を教える為の声だ。こっちに来い、早く来い、ってな」
 他の誰かを呼ぶ声ではない。
 紛れも無く、この声は自分達を呼んでいる。
 そう確信出来るだけの思いの込められた声。
「所長や墓の下の連中には悪いが」
「この下に間違いなさそうだからね」
「まつを助ける為なら、墓の下の連中も怒らねだろ」
 【今】を生きている者の為には、既に肉体を失った者達に気を使ってはいられない。
 3人は少しでも早く小松の元へと向かいたかった。
 自分達では見つけられなかった【欠けた心】を教えてくれた者の元へと。

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HN:
神薙
性別:
女性
職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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