腕を痛めました…出された痛み止めのせいで眠いです…

職業病かと思いきや、原因は首でした。

明日の朝…この痛み止め飲んで仕事になるんかね(-_-;)

てな事で、眠気と格闘した【永劫回帰　第16話】です(笑)

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「嫌い？研究対象に好かれようなどとは思った事ありませんよ」
　自分達には結果が全て。
　研究対象の感情など関係ない。
　相手の気持ちを考えてしまっては、進む研究もそこで止まってしまう。
　愛情を注いではならない。
　同情を抱いてはならない。
　感情を持って接してはならない。
「…だから、ぼくたちはあなたたちがきらいなんです。ここにいるぼくたちも、きっとあなたたちがきらい。だから」
　死んでしまうのだ。と訴えても研究者達には意味が解らなかった。
　大なり小なり、いや、大半の実験体は自分達に良い感情を持っている筈が無いのだ。
　それでも今まで成果は出ている。
　感情が成否を決めるというなら、今までの結果は何だったと言うのか。
　だが、当の研究対象　　　　それも失敗作が、失敗続きなのは自分達が原因なのだと言う。
　研究者達はその言葉を素直に受け入れる事は出来なかった。
　受け入れてしまったら、今までの自分達を全て否定する事になってしまう。
　今までの研究成果すら、正しい結果ではなかった事になってしまう。
　それだけは認めることが出来なかった。
「ぼくたちは、こまつさんといっしょにいきたいっておもった。だから、いきてこれた」
　直ぐに死んでしまうと思っていたのに。
「れたち、まつのことすきだし」
　何時から、そう思っていたのかは解らない。
　気付いたら【好き】という感情を覚えていた。
　【嫌い】を知っているココが始めに気付いた。【嫌い】とは真逆の感情に。
　そして、それと同じ感情をトリコとサニーも持っている事に。
「だから、ずっといっしょにいるほうほうをみつけるんだ！」
　自分達以外は死んでしまったと聞いていた。
　なのに、此処にはまだ【生きた自分達】がいる。
　ならばきっと、生きる道もある筈。
　小松が「そうですね」と3人の頭を撫でると、3人は心底幸せそうな顔になった。
　それは研究員達が一度も見た事の無い表情。
　今までも、そして研究を続ける限りこれから先も。
「あのこもあなたたちがきらいだからあばれるんです」
　ココは研究者達によって造られた獣を指差すと、小松が止める間もなく近付いて行ってしまった。
　すると先程までは威嚇の声を出していた獣が嘘のように大人しくなってしまう。
「きみはぼくで、トリコで、サニーで、もうひとりのこなんだよね？なら、わかるよね？」
　同じモノから生まれたならば。
　求めているモノは同じ。
「ま、待て！待ちなさい！」
　ココの素肌が赤く染まる。
　オリジナルが教えてくれた能力の使い方。
　実践する事は無いだろうと思っていた力。
　その手で獣を繋いでいる鎖に触れると、少しずつ鎖が溶け始めた。
　ココの行動を止めたくても、全身を毒で覆ってしまっているココに素手で触れられる研究員は1人も居らず、遠巻きに止めるようにと声を出すことしか出来なかった。
「こまつさんがきみもいっしょにいこうって。きみはぼくだけど、きみとぼくはちがうってこまつさんはいってくれる」
　自分達が知った感情を、他の自分達にも感じて欲しかった。
　大切な存在が出来る。
　好きな人と一緒にいたいと思う。
　ここに居ては一生感じることの出来ない感情を。　
「！ココさん！」
　最後の鎖を溶かし始めた時。
　小松の視界を何かが過ぎった。
　あまりの速さにそれが何かは解らなかったが、一直線に獣へと向かっていく。
　小松の声にココが振り向き、それを視界に捕らえた次の瞬間。
　獣は大きな声を上げながら暴れ始めた。
　半分解けた鎖は容易に引きちぎられ、理性を失った獣は一番近くにいる者をターゲットにした。
　突然の出来事に身動きすら出来ない。
　ココの視界は獣の大きな鋭い爪で埋め尽くされた。