WJ作品中心のSSブログ。
現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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…何故か拍手の入る注意書き…
最初は押し間違いだろうなと思っていたのに、不思議な事に一番拍手数が多かったりします(^_^;)
拍手を下さっている皆様、本当にありがとうございます!
本当は昨日の更新でここまで書いてしまいたかったんですが…思った以上に長くなってしまったので諦めたもので…どうしても続きを上げたかったんです…
しっかし…こうもALL→カカっぽい話(私の中ではバーダックが中心なので…)を書いていると元々はカカベジサークルだったと言うのが自分でも信じられません…
その頃はそれっぽい話を書いていたんですけどねぇ…まぁ…カカベジを書きながらも本命はバダ・ブロ・タレだったんですが(笑)
カカベジ派だったのは当時の相方だったので…
※当時(2006年12月発行)の作品を一部改定しております。
「バーダック、パラガス。下手な事は言うなよ?お前達が何すんのか一部じゃ恐ろしい噂が立ってんだからな」
トーマの耳に入っていると言う事は、ベジータ王にも間違いなく伝わっているだろう。
権力志向の者達にとって、他者を貶める噂ほど重要なモノはない。
「お前達が来るってだけで城内の警備が倍以上になっちまったんだ。…ま、増えたところでお前の相手じゃないだろうし、オレは全く心配なんてしてねぇけどな」
城内警備をしている者達はエリート戦士の中でも選りすぐりの者達だが、バーダックが相手となったら敗れるのは目に見えている。たとえバーダックの戦闘力がこの7年間、戦闘力が全く変化していないと言えども。
「あ~あの噂な。ここに来るまでに当のオレ等が呆れちまったぜ。一番多かったのはオレがフリーザと手を組んで王権を剥奪しようとしてるとかいうヤツだったな」
勿論、その様な事は考えた事も無い。
フリーザとて、頻繁に訪問して来てはいたが毎回毎回厭きもせずに眠っているカカロット相手に他の銀河での体験を話していくだけなのだ。
「噂を流した者の底が見えるな。噂話…と甘く見ているのだろうがフリーザ殿まで持ち出すとは…」
パラガスが呆れているとトーマも同意する。
友好関係にあるとはいえ、総合的な軍事力ではフリーザ軍には敵わないのが現状であった。
フリーザがその気になれば、惑星ベジータは簡単に掌握されてしまうだろう。
その上、この噂は逆効果でもあった。万が一にもフリーザ本人の耳に入ってしまったら「カカロットさんを貶めようとは何事ですか!」と息巻いて大軍を引き連れてくるに違いない。側近のドドリアもザーボンも、近衛であるギニュー特戦隊も、誰もそれを止める事はしないだろう。
「で、結局退治されるのは噂を流したバカ共だけだって何で解んねぇんだろうな」
「そこまで想像する能力が無いのだろう…王の側近ともあろう者達が嘆かわしい…」
この様なバカな事を実行に移すわけがないと今まで気にも留めていなかったが、復帰したならば迷惑なだけの輩は一掃しなければならないと、パラガスの頭の中では組織の再編が行われていた。
今回の噂の主も、既に予測はついている。
「それじゃ、オレは口出さねぇから後は自分達で何とかしろよ」
トーマが広間へと続く扉を開けると、3人にとって予想外の光景が広がっていた。
常に控えている近衛も、文官・武官、側近に至る者達まで誰一人としていない。
それどころか正面の王座に居るはずの姿さえなかった。
「トーマ!こりゃなんだってんだ!」
「いや…オレにも何がなんだか…」
トーマがバーダックとパラガスの来城を告げた時には、その場に居た皆が皆、立ち会うと言っていたのだが…
「私が誰も入るなと命じた。王ではなく、個人としてお前達と会いたかったからな」
王の居室へと続く扉が開くと、ベジータ王が王子を伴って姿を現した。
7年ぶりに見る王の姿は酷く疲れている様相で、バーダックには以前より一回り小さく見える。
ベジータ王子にも昔見た時に感じた覇気がない。
「バーダック、パラガス…今更何をしに来た?お前達は私を見限ったのだろう?」
「な…」
バーダックは言葉を失った。
何故、べジータ王がそんな事を思うのか。
自分達の事情はベジータ王も知っている筈だと言うのに。
「テメェ…何バカな事言ってやがる!何でオレ達がお前を見限るんだ!オレ達がお前を見限り理由が何処にある!」
それだけは決してないと断言出来る。
22年前に先王を廃して以来、彼ならば今までにない素晴らしい王になってくれると思ってきた。
サイヤ人に守る者を与え、意識に変革をもたらした王。そんな彼の目指す国造りの支えになれるのならば、と危険な任務も進んでこなして来た。
「7年だ…お前達が姿を見せなくなってから…」
王である自分から会いに行く事は出来なかった。
仮にも王子の命を奪いかけた者の所へ出向くなど、自分が行きたくとも周囲の者が許さない。その相手が惑星ベジータの、サイヤ人の為にその手を血に染めてきた者だとしても。今に固執する者にとっては、たった22年前の事が既に遥か過去の話になってしまっているのだから。
だから王は待ち続けていた。
彼等から自分に会いに来てくれる日を。
「相変わらず面倒くせぇヤツだな…テメェは。仕方ねぇだろうが。カカロットが目を覚まさねぇんだからよ。ロトスはオレが遠征に出ている間にカカロットを産んで死んだ。そのカカロットまでもがオレが遠征に出ている間にあんな事になっちまったんだ。ずっと親らしい事なんざしてやった事がねぇ。オレは命を奪う者だ…けどな…こんな時くらいは傍にいてやりてぇって思っちまったんだよ」
いつも大切な時に大切な者の傍に居ない自分。
それが多くの命を奪ってきた自分に与えられた罰だと言うのなら、仕方が無いとは思う。
戦いの場を求めたのは自分。【狂戦士】として生き続けると決めたのも自分。
全ての行動は【狂戦士】バーダックが決めてきた。
ならば。
このような時くらいは、ただのバーダックとして行動したかった。
「…カカロットは…まだ目を覚ましていないのか?」
バーダックの言葉に王は目を見開く。
先程までの疑惑と悲しみを含んだ眼差しとは違い、心の底から驚いている事が誰の目にも解った。
「まだ眠ったままです。ブロリーもカカロットの傍から離れようとせず…私も心配の余り、トーマに仕事を任せきりにしてしまいました。申し訳ございません」
「ブロリーもいると?」
バーダックもパラガスも、王が何に驚いているのかが解らなかった。
カカロットやブロリーの状況はトーマが王に報告している。これが他の者ならば情報を止めている可能性はあるが、トーマに限ってはその様な事はありえない。
「では…目覚めたカカロットと共にフリーザ軍に入ったという報告は…」
「カカロットとブロリーが…フリーザ軍に?」
「ラディッツとターレスなら預けたが…あれは正式な依頼だったぜ?」
どの様な事情があるにせよ、国の機関を通さずに派兵の要請を受ける事は禁じられている。
だからこそ、フリーザもラディッツとターレスを預かると決めた時にきちんと手順を踏んで手続きを行っていた。
「…王。だからオレが何度も言ったでしょうが。目を覚まさないカカロットの傍からブロリーを話したらまた暴走状態になる危険性があるので今は何も出来ない、と」
トーマは確かに伝えていた。
王がバーダック達の事を訊ねてくる度に、事細かに説明してたいのだが。
「トーマも共犯で私を欺く為に何かにつけて細かく報告してくるのだと…」
事細かな報告が逆手に取られていたらしい。
トーマが王を安心させようと説明をすればする程、王の中の不安は大きくなっていた。
「…パラガス。テメェの事だ。もう大体予想がついてんだろ?くだらねぇ事しか考えらんねぇバカは何処のどいつだ?」
「ニオンとピメントだ。奴等が主に親父に報告をしていた」
バーダックの問いに答えたのはパラガスではなくベジータ王子だった。
パラガスも頷いていると言うことは、その2人で間違いないのだろう。
「オレも親父も城から出ることすら出来なかった。フリーザ様との接見も、親父ではなくあいつ等がしゃしゃり出ていたからな。…情報はあいつ等かトーマからしか入ってこない。そんな状況でフリーザ様の訪問回数は増える一方。親父の心が揺れても仕方がないだろう!」
ベジータ王子もまた、その報告を聞き自分の行動がフリーザ軍に攻め込ませる口実を与えてしまったのかと思い悩み続けていた。
バーダックとパラガスが顔を見合わせる」
「平和になっちまうと…本当にくだらねぇバカが増えちまう。なぁ?パラガス?」
「排除するしかあるまい。それには先ずカカロットを目覚めさせねばな」
この2人。
どちらかに目を付けられただけでも厄介だというのに、同時に目を付けられてしまってはその者の末路は見えている。
パラガスの戦略とそれを実行可能なバーダックの戦闘力。
様々な惑星へチームとして派兵されていた時、この2人によって引っくり返された戦況は1つや2つの話ではない。
「いいかベジータ。二度は言わねぇからよく覚えておけよ。オレがテメェを裏切る事だけはありえねぇ。例え…お前がオレを切り捨てたとしてもま。ま、テメェの邪魔になる時がきたら、こんな命テメェにくれてやるよ」
ベジータ王との出会い。
それが無ければ今のバーダックは存在しない
「私もバーダックと同じ気持ちです。私が貴方に仕えているのは貴方が王族だからではありません。貴方の考えに賛同し、貴方の力になりたいと思ったからこそ、仕えているのです。私が貴方に弓引くことは決してありえません」
残虐な行為の横行する時代。
王族に生まれながらも先王の考えに染まらず、自分と同じ考え方を持った当時は稀なサイヤ人。
もし、彼が王族でなかったとしても着いて行った事だろう。理想を理想で終わらせない、強い思いをパラガスは感じ取っていた。
「王子。息子の無礼をお許し下さるならば、どうか私共と来ては頂けませんでしょうか。元宮廷占者のトオロが申すにはカカロットの目覚めに王子の存在も必要なのです」
「オレが必要…か」
ベジータ王子が7年前…いや、それ以上永い間抱えていた疑問。
あの事件が無ければ、冷静に考えることも向き合う事もなかったであろうその疑問の答えは、意外と簡単だった。
輝く者と輝きを返す者。
その数奇な星はフリーザ軍までもを巻き込む強さを持っていた。
自分には無い力。
欲しいと求めても手に入らない力。
ならば自分には自分だけの力があるのだろうかと考え
それもサイヤ人全ての運命を左右し兼ねないほどの大きな力。短慮な行動1つで…惑星に危機を齎しかねない力。
考えがそこに辿り着くと
大人さえ足が竦んで動けなくなってしまう様な威圧感を放つ者と、それから自分を助けようと間に入ってきた者。
産まれながらに大きな力を持つ者と、実の父親に殴られ重症をおった者。
何故、後者だけが気に入らなかったのか。
思い返せは最初の印象は特に悪いものではなかった。実の父親によって怪我を負わされ、可哀想な赤ん坊だと思った。
だが、自分には無い力を持っていると解った時、急にその赤ん坊が憎らしくなった。
変動する戦闘力。大幅な上昇値。
傍には産まれながらにして戦闘力10,000の赤ん坊が居たというのに、何故、弱い赤ん坊に対してのみその様な思いを抱いたのか。
導き出された答えは「可能性」と言う名の「裏切り」。
可哀想な、自分の様な力のある者が守ってやらねばならないと思っていた赤ん坊が、自分より強くなる可能性が許せなかった。
「…ブロリーの事はオレも気にしていない。あれは…オレの落ち度だ。それよりオレが行く事でカカロットが目を覚ますならさっさと行くぞ!」
今度は
自分が背負ったモノが、自分の心が教えてくれた。
相手を守りたいと思うなら、相手より強くなれば良いのだ。
父よりも、ブロリーよりも
「そんじゃ、先ずは此処からどう出るか、だな…暴れちまって良いか?」
「バカ者!お前は何故、先ず力で解決しようとする!少しは頭を使うということをせんか!」
懐かしい空気を感じつつ、ベジータ王も自分の思いを再認識していた。
二度と、彼等を疑うまいと。
彼等の誇れるような王であり続けよう、と。
その頃…
「抜け道なんてねぇじゃねぇか!ラディッツ!本当に此処だったのかよ!」
「お前だってあの時一緒に居ただろ!…って、これ内側から塞がれてんじゃ…」
昔、一度だけ来た事のある抜け穴があった場所は、出入り口の跡らしきものはあるが、中に入る事は出来なかった。
実は王を外に出さないようにと、側近達が塞いでしまっていたのである。
「はぁ?塞がれてるって…ちょっと待て。この場合、不可抗力だよな?流石の親父さんも納得…する訳ねぇか・・・このままじゃ鉄建制裁確定じゃねぇかよ…」
「ま、何とかなるだろ。道が無い以上、何も出来ないんだからさ」
だが、この時だけはバカな側近達に感謝しなければならなかった。
なにせ…抜け穴が使用出来たとしても、王子は部屋に居なかったのだから…
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プロフィール
HN:
神薙
性別:
女性
職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
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