SSを書くときは頭の中でキャラが映像で動いてくれるのですが…これが書きはぐると同じ動きをしてくれないので仕事中に思い浮かんだ場合はメモに殴り書きしたりしてます。
最近はスマホでワード系の機能も使えるので電車内で思いついた時はパッと文書にする事が出来るんですけど…自分の殴り書きは後で解読するのが大変だったりします…

頼むから…ちゃんと書ける時にだけ動き出して欲しい…

※当時（2006年12月発行）の作品を一部改定しております。

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　見た事も無い風景。
　惑星ベジータとは違う。
　緑と水にあふれた風景。
「ここは…一体…」
　誰とも無く呟いた言葉を爆音が遮る。
　音のした方を見ると見知った顔がそこにはあった。
「な！どういう事だよ！何で…何でカカロットが！」
　目の前には眠りについた後の　　　　　　　　成長したカカロットの姿があった。
　その瞳に怒りを宿らせ見つめる先には　　　　　　　　　　兄・ラディッツの姿。
　しかしラディッツはカカロットと争った事は無い。
　これがカカロットの夢だというならば、自分はカカロットに憎まれているという事なのだろうか。
「此処はカカロットの夢の中…それと同時に現実でもある」
　4人の顔を確認すると、トオロは説明を続けた。
「カナッサにおいて現在研究が続けられている事象がある。この宇宙には同じ時に違う流れを持つ宇宙が存在していると遥か昔から伝えられてきた。今ではカナッサのみならず他の星の科学者等も研究を始めているようだが」
「多次元宇宙論ですか？」
　ブロリーの言葉にトオロが頷く。
「誰も見た訳でもないのに、何故その様な伝承が残ったのかは私も知らぬ。だがカナッサの者には稀に未知の力を持つ者が生まれる事から、昔そう言った世界を体験する力を持つ者がいたのかも知れぬ。だが理論は存在してもそれを証明するものがなかった事から願望の世界に過ぎないとまで言われていた。私も…そう考えている1人だった。このカカロットの夢を見るまではな」
「じゃあなにか？これは他の次元での現実だってのか！？」
　確かに夢にしては余りにもリアルだった。
　互いに憎しみあっているかの様なカカロットとラディッツ。
　見た事も無いナメック星人。
　戦いの痕が刻まれる星の姿。
「カカロットが時折苦しげな表情をするのはこれが原因だ。7年前…頭を打った衝撃か、別の要因があったのか解らんがカカロットの心だけがこちらの世界に来てしまった。カカロットの心をこの世界から解き放たん限り、目を覚ます事はないだろう。ラディッツ、まずはお前の番だ」
　お前の番、と言われても何をどうすれば良いのかが解らない。
　カカロットの心が何処にあるのかすらも。
　逡巡している間にも目の前の戦いは激しさを増している。
　見た限りでは、ここのカカロットはラディッツよりも戦闘力が低い様子だった。
　ナメック星人と2人がかりでもラディッツの動きを止める事が出来ずにいる。
　一方的に痛めつけられているカカロットの姿。
「止めろ！」
　咄嗟に駆け出していた。
　大事な弟を踏みつける自分の姿に、嫌悪感と共に激しい怒りを覚える。
　他の3人も駆け出したかったが、足が一歩も前に進まなかった。
「カカロット！そいつは俺じゃない！俺じゃないんだ！！」
　一瞬、ラディッツの姿が陽炎の様に揺らぐ。
　助けようと己に向けて拳を繰り出すと、鈍い感覚が走った。
「っ…なにも･･･！？」
　ラディッツの拳はラディッツに命中していた。
　殴られたラディッツはラディッツの姿を確認する事無く、後方の岩山へと吹き飛ばされる。
「貴様が俺である筈が無い！どんな理由があっても…俺がカカロットにこんな事をする筈が無いんだ！」
　例えその耳に届いてないとしても、言わずにはいられなかった。
「に…………ちゃん……………？」
　カカロットが呟くとその姿がぶれる。
「兄ちゃん！兄ちゃん！」
　カカロットの身体から小さなカカロットが現れた。
　泣きながらラディッツを呼び、抱きついてくる。
「怖い思いさせてごめんな…カカロット」
　優しく抱きしめると辺りの風景が一変し、深い闇に覆われた。