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WJ作品中心のSSブログ。 現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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今日の地震は最初の一発目で目が覚めました。

いえね…今日は珍しく早く帰れたんですけど家に帰った途端寝てしまいまして(笑)
そしたら、ドンッ、グラグラと来たじゃないですか。
あれで目が覚めて、眠気も吹っ飛んでしまい…逆に眠気が無くて今夜寝れるのか?と別の心配が。

まぁ、今日は何も物が落ちなかったので良かったです。

※当時(2007年5月発行)の作品を一部改訂しております※


 沈黙に耐えられなくなった悟飯はメディカルマシンに近付いた。
 普段なら気にならない足音が、妙に大きく聞こえる。
 メディカルマシンでの治療は一度、目にしているが手術まで行えるとは思ってもいなかった。
 何本もの細いアームが胸を裂き、血管を切り離し、繋いでゆく。
 生々しいそれから悟飯が目を逸らす事は無かった。
「気になるの?」
 不意にブロリーに声を掛けられ、悟飯の身体は反射的に一歩後退してしまう。
 気を消す術を知らないサイヤ人達。
 特に強い気を発しているブロリーの気配は狭い室内では圧迫感が強く、どこに居るのか捕らえ辛い。
「新型のメディカルマシンだから治療も早く済むよ。あと一時間くらいでカカロットの意識も戻ると思う」
「ありがとうございます」
 精一杯の笑顔を返すと、ブロリーも微笑みを返した。
 その様を見てふと、不思議に思ってしまう。
 このサイヤ人達は何故、対話をしてくれるのだろうか。
 地球人をなんとも思わずに殺していたラディッツやナッパとは違う。
 今でこそ言葉を返してくれるベジータも、地球に来た当初はナッパ達と同じだった。
 身体が竦むほどの強大な気を纏ったブロリーからは、狂気とも取れるサイヤ人独特の気配がしない。
 どちらかと言えば穏やかな、父である悟空を思い出させる気配を醸し出している。
「カカロットって、キミから見てどんな感じ?」
「え、ど、どんな感じって」
 何と答えれば良いのか。
 ブロリーの質問の意図が読めない悟飯には答えることが出来なかった。
 迷っている悟飯にブロリーは懐かしそうな顔で話を聞かせる。
「僕は赤ん坊の頃に会っただけなんだ。同じ日に産まれて、隣に寝かされて。だから、カカロットが不安で泣いていた姿しか知らない。だから今のカカロットがキミ達と一緒に居てどんな事を思っているのか教えて欲しいんだ」
 悟飯は初めてブロリーに声を掛けられた時の心の底から嬉しそうなブロリーの表情を思い出した。
 そして不思議に思う。
 赤ん坊の頃、それも僅かな期間しか一緒に居なかったと言うのに何故あそこまで嬉しそうな顔が出来るのだろうかと。
「…お父さんはいつも僕達の先に行っちゃうんです。時々僕達を待っててくれるけど…背中しか見えない感じで。きっと僕がブロリーさんくらい強ければ同じモノが見れるのかも知れませんけど…」
 今の自分には、いや、これから先も。
 自分達が父と同じモノを見ることは出来ないと、漠然とだが悟飯は感じていた。
 自分がどれ程強くなろうとも、それ以上に強くなり振り返ることも無く一歩も二歩も先へと進んでしまう。
「僕なら…カカロットと同じモノを見れる…」
「はい、僕はそう思います。だってブロリーさんはお父さんに似てるから」
 今、父の強さの横に並べるのは自分の知る限りではブロリーか自分の祖父であると言うバーダックであり、横に並ぶどころか中々近付くことすら出来ない自分達が追いつくことは無いだろう。
 そう思うと悟飯にはブロリーの強さが羨ましく思えた。
 追いつけないと思っていた存在に、並ぶものなど居ないと思っていた存在に近い者がいる。
 何故それが自分ではなかったのか、と。
「カカロットは…僕を見てくれるかな…」
 自分の思考に飲まれそうになった悟飯がハッとブロリーの顔を見ると、その何とも言えない不安げな表情に直前までの感情が霧散した。
「どうしてですか?」
 悟飯が問いかけると、ブロリーは力のない笑顔を見せる。
「キミ達も僕が怖いでしょ?話す時も言葉を選んでるし、近付くと怯えた顔をする。だからカカロットも…目を覚ました時に僕を怖いと思うかも知れない…」
 サイヤ人だけで、宇宙船の中で過ごしていた時は気にならなかったが、地球人達の反応を見て眠りに付く前の事を思い出した。
 自分の戦闘力の高さに青褪めた大人の戦士達。
 そして恐れられるだけの力があったが為に、カカロットの元から離された時の事を。
「あ、ち、違うんです!」
 違わない。
 正直に言えばブロリーが、サイヤ人が怖くて堪らない。
 それでもブロリーの悟空を見つめる悲しげな表情を見てしまうと、無意識とはいえブロリーに対して取った態度に罪悪感を感じてしまう。
「僕達はスカウターが無くても相手がどれだけの力を持っているか感知出来るんです。だからブロリーさんの気が…戦闘力が大きすぎて、こう、力に押しつぶされる感覚になっちゃうんです。それに…今まで僕達の話をちゃんと聞いてくれるサイヤ人は居なかったから…」
「カカロットもサイヤ人だよ?」
「…お父さんはラディッツが来るまで、自分がサイヤ人だって知らなかったんです。自分は地球人だって、ラディッツが来た時もずっと言い続けてたって」
 そして、ラディッツと戦い、共に命を落とす結果となった。
「お父さん…本当はラディッツを死なせちゃった事を後悔してたんです。何でもっと話し合えなかったんだろう、死なせない方法は無かったのか、って。だから…ブロリーさん達なら大丈夫ですよ!こうして僕の話を聞いてくれたり、お父さんの事を心配してくれるんですから」
 周囲の人の話を聞く限り。
 父と戦って命を落としたモノの方が少ないのだと、悟飯は知った。
 そしてこのサイヤ人達の来訪により、たとえどんな相手にでも命を落とすことで悲しむ者が居ると知った。
 悪いヤツを倒したのにどうしてそんな事を言うのか。
 以前は解らなかった事だが今なら、あの時の父の気持ちが解った気がする。
「そうだと…嬉しいな。えっと…」
 今更ながら、名前も聞いていなかった事にブロリーは気付いた。
 それを察した悟飯が自分から名を告げる。
「悟飯です。孫悟飯」
「ソンゴハン?サイヤ人とは違う感じの名前だね」
「お父さんのおじんちゃんの名前を貰ったんです」
「カカロットのおじいちゃん?」
「サイヤ人の、じゃなくて地球でお父さんを拾った人で」
 悟飯の語る自分の知らないカカロットの話に、ブロリーは嬉しそうに耳を傾けた。

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神薙
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職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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