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WJ作品中心のSSブログ。 現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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…マジでこれどんな流れになるのか、書いている本人がわからなくなりました(-_-;)
と言うか、本人、続きが解りません(笑)

終着地点決めてるのに…無事に着地出来るんですかね…コレ…今回の話も下書きから内容変わってるし(^_^;)

気がついたら【永劫回帰】12話目でした。
【一期一会】の倍以上書いてやんの…


 開かれた扉の隙間から薬品の臭いが流れ込んでくる。
 鼻につくその臭いに小松は顔をしかめた。
 上の研究施設ではこのような臭いをかいだ事がない。
 空気の流れが少ないのだろうか、と考えながらも相手の言葉に違和感を感じた。
「待っていた、って貴方が待っていたのはボクじゃなくてこの子達なんじゃないですか?」
 ここの     研究所の関係者が自分を待つ理由が小松には思い当たらない。
 だが、この扉を開けた途端、男は小松の存在を確認する前に小松の名を口にしていた。
「いいえ、我々が待っていたのは貴方ですよ。小松シェフ」
 背筋に悪寒が走る。
 この男の目は尋常ではない。
「そうですか。なら、この子達は上に戻っても構いませんね」
「えぇ、一向に構いませんとも。それらのデータは既に入手していますので、貴方をここまで連れて着てくれたら、もう用無しです。私は失敗作には興味がありませんので」
 失敗作。
 この子達は自分達で産まれたのだから、失敗だの成功だのと他人が決めることではない。
 小松は内心憤りを感じつつも、今は3人の安全が第一と言うように後ろ手に3人を上へ向かうように押しやるが誰も動こうとしなかった。
「皆さんは上に戻ってトリコさん達に此処の事を伝えてきて下さい」
「やだ!」
「まつがいっしょじゃなきゃや!」
「…」
 怒った顔。
 泣きそうな顔。
 我慢している顔。
 いつも見慣れた顔が、自分達も此処に残ると強く訴えていた。
 光に目が慣れた小松の視界には3人には見せたくない光景が広がっていると言うのに。
「おやおや、何を心配されているのか。小松シェフには実験に協力戴きたいだけですよ。唯一、失敗作を長生きさせている人間としてね」
 男が室内を指差すと、其処には誰もが見知った顔が幾つもあった。
 トリコ。
 ココ。
 サニー。
 そして最後の四天王ゼブラ。
 彼等は液体の満ちた容器の中に入れられていた。
 それも1つではない。
 同じ顔が幾つも幾つも、小松の視界に映っている。
「我々も懸命に育てたのですよ?ですがどうしても1週間と持たずに細胞が死滅してしまうので仕方なく生命活動が停止する前に保存液に漬けています。別の手法も考えましたが中々成功しない」
 別の手法、と男が指差した先には見た事もない生物がいた。
 いや、どこかで見たことがある気もする。
「これって…」
「解りましたか?貴方には身近な生物ですから解って当然ですね。バトルウルフにエンペラークロウ、ハイアンパンサーの細胞を併せたモノに更に四天王の細胞を組み込みました。寿命は延びたのですが獣をベースにした為か凶暴で手の付けようのないモノが出来上がってしまいましてね。お恥ずかしい話ですがこれも失敗作ですよ」
「…ちがう…」
「ココさん?」
 男には聞こえない小さな声でココが男の言葉を否定する。
 ココには解った。
 あの生物が凶暴な理由が。
「どうかされましたか?あぁ、心配しなくてもあれはあそこから動けませんよ」
「そんな心配はしていません。それよりさっきから失敗作失敗作って…この子達もあの子も失敗作なんかじゃありません!」
 小松の言葉に男はきょとんとした顔をした。
 声の大きさに驚いての事ではない。
 小松の入っている言葉の意味が理解できない、といった顔だ。
「失敗作ですよ。私が造りたいのは最強の人間です。美食會に負けない強靭なモノが今は1人でも多く欲しい。ですがグルメ細胞に適合出来る者は少ない。ならば造り上げるしかないでしょう?研究の目的に沿わないものは全て失敗作ですよ」
 さも当たり前であるかのように、言葉を紡ぐ。
 小松は背後にいるトリコの怒り、ココの失望、サニーの憎しみを感じ取っていた。
 自分が男との間に居なければ、3人はとうに飛び掛っていただろう。
「すみませんが、ボクは貴方に協力する事は出来ません。ですが、ここに居る皆さんは引き取らせて頂きます」
 こんな男の元へ、彼等を       小さな3人の兄弟達を置いていきたくはない。
 例え残りの命が短かろうとも。
 1日でも1時間でも1秒でも。
 刹那と呼べるほどの僅かな時間であったとしても、彼等にこんな男ばかりの世の中ではないと小松は伝えたかった。

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神薙
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職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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