「あ～もう。濡れたままじゃ駄目って言ってるじゃないですか」
　まつがすき。
　やさしいからすき。
　あったかいからすき。
「サニー！かみつかったらだめだよ！まわりもぬれちゃうから！」
　ココもすき。
　やさしいからすき。
　れのしらないことしってるからすき。
「うぜぇ…きっちまえばいいじゃんか。だから！からまるからやめろって！ほんとにきれちまうぞ！」
　…トリコはちょっとすきくない。
　らんぼうだからすきくない。
　でもやさしいとこはすき。
「全く…サニーさん、少しは自分で乾かす事を覚えないと」
「や！まつ、かわかして！」
　れのてでさわると、たまいたいのに。
　まつのてでさわると、いたくない。
「うわ！サニー！ものなげんなよ！」
「あ…」
　…？
　ごかない？
　れのかみ？
「サニー…すこしがまんすることをおぼえよう。ね？」
　…ココ…こわい…
「こまつさん、サニーのかみはぼくがかわかしておきます」
「あ、じゃあココさんお願いしますね。ボクは夕飯の支度をしてきますから」
　まつ…っちゃった…
「ココ、なせ！」
「だめ。かわかすまではなさないよ」
「ココすげぇな！おれ、ちかづけなかったのに」
「さいきんサニーのみえないかみがみえるようになってきたんだ。トリコもみえるようになるんじゃないかな？」
　みえる？
　れもみえないのに…
「れのみえないかみ…どんなかみ？」
「う～ん、きらきらしてるよ。きっとこまつさんやトリコがみてもきれいだなっておもうんじゃないかな」
「でもさ、きらきらしててもサニーのかみってぼさぼさだからきれいじゃねぇじゃん」
「ぼさぼさしてないよ。きらきらしてるかみはみえるかみとちがうんだ」
　れのかみ。
　まつがさわるときれいになる。
　まつじゃないとぼさぼさ。
「ねぇサニー。ぼくたちはこまつさんをこまらせたらだめなんだよ。じぶんでできることはじぶんでしようよ」
「そうだぞ！こまつにきらわれたらどうすんだよ！」
　まつにきらわれる？
「まつ、れのこときらいしない」


　だってまつはつもみてる。
　れのこと。
　ココのこと。
　トリコのこと。
　だからぜったいきらいしない。
　れもわかる。
　まつはココがすき。
　まつはトリコがすき。
　まつはれのこともすき。