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WJ作品中心のSSブログ。 現在はDB(親父中心)、トリコ(コマ総受)となってます。
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今朝のトリコ。
珍しくリアルタイムで見れたので母も初めて見ることになってしまったのですが…
「何?この悟空さんと北斗の拳混ぜたの」
と一言…
「…何故にDBと北斗?」
と聞き返したら
「え、服の色合いが悟空さんまんまだし、北斗の拳みたいにムキムキだし。山みたいなところ飛び跳ねてるのもDBで無かったっけ?あ、もしかしてジャンプのアニメ?」
…トリコの体格と服の色、オープニングから受けたイメージの様です。
記憶力良いね…母…つうか…私がDB何度も一緒に見せたせいだね…でもDB見てた時OP・EDは殆どすっ飛ばして見てた筈なんだけど…えぇ…ジャンプのアニメで大当たりですよ…
取り合えず「バトルグルメアニメ」としか答えようがありませんでした…
同人やっててブログにSS書いてるのも知っている母ですが内容までは教えてないので(^_^;)

ちなみに「悟空さん」は我が家のデフォルトの呼び方です。
他にも「フリーザ様」「ピッコロさん」と敬称付で呼ばれるキャラは結構居たりします。

※当時(2006年5月発行)の作品を一部改訂しております※


「ターレス、お前自身は如何思ってんだ?」
「何が?」
 トーマと楽しげにじゃれ合っている姿からは、到底父親を亡くしたばかりの子供には見えない。
 これが普通のサイヤ人の子供ならば特別、違和感を感じたりはしなかった。
 普通のサイヤ人と違い、どの親子以上に仲の良かった父と子。
 その子供が、果たして父親を亡くして冷静で居られるものだろうか。
「シヤーチの事だ」
 一瞬。
 普段なら見落としてしまうであろう、ほんの僅かな時。
 ターレスの表情が固まったのをバーダックはハッキリと見た。
「さっきも言ったけど、親父は満足して」
「シヤーチが、じゃねえ。お前が如何思ってるのかって聞いてんだ!」
 今度は完全にターレスから表情が消えた。
 今まで、父親が生きている時ですら素直に自分の感情を表した事の無い子供。
 視線だけが宙を彷徨っていたが、最後には表情が悟られないよう俯いてしまった。
            った」
「聞こえねぇな」
 ターレスが拳を握る。
 王も、パラガスも、トーマも。誰も口を挟めない雰囲気が辺りを包んでいた。
           かった」
 バーダックの傍まで歩み寄り、必死の思いで言葉を紡ぐ。
 握り締められた拳は、僅かに震えていた。
「聞こえねぇって言ってんだろう!ハッキリと言いやがれ!」
「悔しかった!親父がオレじゃなくてアンタを優先した事が!」
 ベッドに横になっているバーダックからは、僅かながらターレスの表情を伺う事が出来た。
 懸命に涙を堪えている。
 バーダックの記憶にも、よく泣いていたラディッツと違い、ターレスの泣き顔を見た事は無い。
「オレだってアンタには助かって貰いたかった!アンタは親父にとってもオレにとってもでかい目標だった!けど…だけど何で親父が死ななきゃならねぇんだよ!」
 一気に言葉を吐き出すと、必死に顔を擦る。
 泣く事は子供の特権だというのに、この子供はそれすら良しとしない。
 シヤーチの心配していた通りだな、とバーダックは確信した。
 このまま、思いを誰にも伝えられず抱え込むような事が続けば      彼の心は次第に壊れてしまったかも知れない。
「…でも…オレの命が助かったのはカカロットのお陰なんだ…」
「カカロットの?」
「カカロットが居なけりゃオレはあの攻撃で星ごと消えてた。だから…親父に死ぬなって言えなかった…」
 偶然、としか言えない。
 それでもターレスの命は確かに助かった。
 カカロットが存在したから自分は救われた。
 自分を救った存在の父親の命を助ける為に、自分の命を差し出そうとする父に何も言うことが出来なかった。
「…パラガス。シヤーチの体はどうした」
「保管してある。あやつも、今後万が一の事態が発生した時に再度お前に提供出来る部分があれば使って欲しいと言っていたからな」
 彼自身の意思で、己の遺体を保存するように遺言を残して。
 バーダックは彼が何故そこまでしてくれるのか、理由がまったく見当たらなかった。
「生体反応は…完全に消えてるのか?」
「お前の考えも解らんでもない。だが、それは無理だと言っておこう」
 生体反応が残っていれば…その状態で保管されているならば。
 自分に与えられた半身をシヤーチに戻し、彼をターレスの元に返すことが出来る。たとえ何年先の事になっても、バーダック自身が生きていれば。
「そうか。じゃあ仕方ねぇな。もう済んじまった事だしよ。ターレス。お前、ラディッツやカカロットと兄弟になるのは嫌か?」
「な、突然何言ってんだよ!」
 突飛な発言に、逸らしていた視線をついバーダックへ戻してしまった。
 その瞳には涙の跡がありありと残っている。
「嫌なら無理は言わねぇけどよ。オレの体の半分はお前の親父なんだ。シヤーチがお前に残せる筈だった事を、オレがお前に教えてやる」
「…………バーダック…………お前まさか頭やられたか?熱あるんじゃ」
 モーション無しで右手から放たれたエネルギー弾は小さいながらもトーマを吹き飛ばすには十分な威力を持っていた。
 そうしながら自分でも考えてしまう。何故、ターレスに対してこのような言葉が口をついて出てきたのか、と。
「…テメェは黙ってろ。ターレス、嫌なら嫌だとはっきり言え。強制じゃねぇんだからな」
       ゃねぇ…」
「さっきから何度も言ってんだろうが!」
「嫌じゃねぇって言ってんだよ!」
 耳まで赤くなっている様が、ベジータ王達からも見て取れた。
「つう事だ。ターレスは今からオレの息子って事で良いよな?」
「駄目だという理由は無かろう」
「だとよ」
 ベジータ王の同意を得ると、バーダックは上半身を起き上がらせ左手でターレスの頭をくしゃくしゃと撫でる。
 ターレスは再び涙を流していた。
 生前の父の手を、何度振り払った事だろう。
 本当は撫でられる度に嬉しかったのに。
 気恥ずかしい、という理由だけで。
 今も気恥ずかしい事には変わらないが、もう二度とこの手を振り払い、後悔を残したくはなかった。
「あ~あ、こんな事になっちまったら、あんたを恨む事も出来ねぇや。な、親父」
 それはバーダックに向けられた言葉なのか、シヤーチに向けられた言葉なのか。
 そのままターレスの頭を胸元へ抱き寄せると、ターレスは声を堪える事無く泣き始めた。
 年相応の子供らしく。
 この世に生まれでて7年。
 その姿は7年分の涙を一度に流している様でもあった。



 どれ程の時間が経過したのだろうか。
 ターレスが落ち着くのを待ち、ベジータ王が本題を伝える。
 船に搭載できる食料は約5年分。
 最低速度で航行になるので全く足りない。
 その為、大人はコールドスリープで、子供はノーマルスリープで地球へ向かう事になる。
「コールド…か…」
 コールドスリープは大概の者に嫌がられていた。
 技術が開発された当初は移動中にも歳をとらない利点から多用されていたのだが、近年では歳をとってもノーマルスリープが良いと言われている。
 目覚めた時の倦怠感が最悪なのだ。
 スリープ期間によっては直ぐに行動できない程に。
「これ程長期のスリープは前例がないが…計算上は身体に異常が出る事はまず無い。とは言え、私とて好き好んでコールドにした訳ではない」
 ベジータ王も長期のコールドスリープは避けたかった。
 そのまま目覚めぬ危険性からも。
 が、ノーマルスリープの場合、身体は活動した状態のままなので栄養剤等の投薬処置が必要となる。
 他の船に積んであった薬剤を集めても2~3人分にしかならなかったのだ。
「仕方ねぇか。向こうに着いた時にこいつとブロリーがガキのままじゃ困るからな」
 20年も経てば立派な戦力になっている。
 それがノーマルスリープの利点の一つでもあった。
 スリープ中も筋肉に定期的に刺激が与えられ、衰えることもない。
 個人艇の様な狭い、身体を動かす空間が無い状態でも目的地に着き直ぐに行動に移れる。
 戦いを主とするサイヤ人にとってこの技術がなければ、昨今のような発展は望めなかっただろう。とは言え、今は過去の話であるが。
「…って…え、目ぇ覚めたらお…あんたと殆ど歳変わらねぇじゃねぇか!」
 ゴン、といい音が室内に響く。
「テメェは親に向かって『あんた』って言うのか」
「いってぇな!このクソ親父!」
 面と向かって言うには少々照れくさかっただけなのだが、まさか拳骨が振ってくるとは思わなかった。
「ちゃんと言えるじゃねぇかよ。このクソガキ。それにテメェはオレだけノーマルで50近くまで歳食えって言うのか?」
 コールドスリープが嫌な事には変わりは無い。その上、サイヤ人は肉体年齢が若い時期が長い。が、だからと言って自分1人だけが歳をとるのは戴けない。
 何よりも自分より年上の者達より年齢が高くなってしまうならば、コールドスリープ後の倦怠感を我慢した方がましだと思えた。
「ったくよ。ヤツ等の目さえなぇりゃ地球なんざ半年もかからずに行けるってのにな」

 翌日には隊が分けられ、それぞれの目的地へと進路をとった。
「機械が故障しねぇ事を祈るぜ」
 長い眠りになるがバーダックにはその先に確かな光が見えていた。

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HN:
神薙
性別:
女性
職業:
事務
自己紹介:
サークル活動時
《BlueSkyHero》では【蒼皇那鬼(ソウコウ ナキ)】
《Legend-Of-DragonBall》では【神薙(カンナギ)】
と、サークル名を変える時にPNまで変えたりしたお馬鹿です(笑)
どんなジャンルにも手を出しますが、自分が書くジャンルは少なかったりします…
今はタイバニ(兔虎)にもハマってたり…
基本、親父好きです(爆)
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